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スイッチノードリンギングの原因と対策:広い入力電圧範囲の高速DC-DCコンバーターで発生する(2/6 ページ)
昨今、広入力電圧範囲DC-DCコンバーターが使用されるケースが増えてきたが、MOSFETの高速のターンオンとターンオフは、スイッチノードのリンギングを発生させ、さまざまな障害の原因となっている。そこで、本稿では、DC-DCコンバーターにおけるスイッチノードリンギングおよびスパイクのメカニズムを取り上げ、その発生メカニズムと対策方法を詳しく解説する。
降圧および昇圧コンバーターのスイッチノードリンギング
降圧コンバーターと昇圧コンバーターのスイッチノードリンギングは異なる。降圧コンバーターのスイッチノードは、降圧コントロール(ハイサイド)スイッチのターンオンに一致するスイッチノード立ち上がり遷移で最高にリンギングする。昇圧コンバーターのスイッチノードは、昇圧コントロール(ローサイド)スイッチのターンオンに一致するスイッチノード立ち下がり遷移で最高にリンギングする。本稿では、電力段が降圧区間と昇圧区間の両方から構成されることから、4スイッチ昇降圧コンバーター「LM5175」をテストプラットフォームとして使用した。
図1は、同期降圧と同期昇圧の区間を有する昇降圧電力段を示し、以下、各区間を順に取り上げる。
図2は、リンギングの原因となる寄生インダクタンスと寄生容量を含めて降圧区間回路を示す。
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