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今さら聞けない5G入門、要件実現に向けた新技術計測器メーカーから見た5G(1)(3/3 ページ)

2020年の一部商用化に向け、2017年より実証実験が日本でも開始される見通しの5G(第5世代移動通信)。通信事業者や大学、計測器メーカーがその要件実現に向けて精力的に研究開発に取り組む。本連載では、計測器メーカーであるローデ・シュワルツの視点から5Gの動向をお届けする。

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計測器メーカーの役割とは

 5Gの研究開発に向けた計測器メーカーの主な役割は、標準化で議論されている技術要件と現時点の技術で測定可能なパラメータを比較検討することで、実際に評価が行える仕様を提案するとともに、新たな測定手法や計測器そのものを開発することである。


ワンボックスで2GHzの変調帯域幅を有するベクトルシグナルジェネレーター

 既に、センチ波/ミリ波が既に使用されている航空宇宙分野のレーダーや車載レーダーの評価用途として、デバイスやセンサーなどの測定が可能な計測器が登場している。例えば、85GHzまでワンボックスで測定できるシグナルスペクトラムアナライザー「R&S FSW85」や、ワンボックスで2GHzの変調帯域幅を有するベクトルシグナルジェネレーター「R&S SMW200A」などである。LTEなど3GPPの規格に沿った試験が可能な計測器として、ワイドバンド無線機テスター「R&S CMW500」などもある。

 2020年の商用化に向け、センチ波/ミリ波、広帯域を利用した通信を評価できる計測器を開発することは、計測器メーカーにとって大きなチャレンジと考えている。

まとめ

5Gで求められる要件

  1. 超高速伝送
    4Gと比べ10倍に相当する、10Gビット/秒以上の通信速度
  2. 大容量化
    4Gと比べ1000倍のシステム容量
  3. 低遅延
    4Gと比べ10分の1に相当する、1ミリ秒以下の遅延
  4. 同時接続数
    4Gと比べ100倍に相当する、基地局あたり接続数1万

5G要件解決のための主な技術

  1. センチ波/ミリ波の利用
  2. 広帯域伝送
  3. Massive MIMO
  4. ビームフォーミング

5Gで検討されている新しい変調方式

  1. FBMC(Filter Bank Multi-Carrier)
  2. UFMC(Universal Filtered Multi-Carrier)
  3. GFDM(Generalised Frequency Division Multiplexing)
  4. F-OFDM(Filtered OFDM)

 次回の記事では、5Gで検討されている新しい変調復調方式について解説する。

連載「計測器メーカーから見た5G」バックナンバー一覧

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