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Threadネットワークに参加するプロセス(後編)IoT時代の無線規格を知る【Thread編】(7)(2/5 ページ)

ホームネットワーク向け無線規格として注目を集める「Thread」を解説する本連載。今回は、Thread製品を自身のThreadネットワークに参加させるプロセスである「コミッショニング」について、前後編に分けて紹介している。後編では、コミッショニングのプロセスを中心に紹介する。

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ネイティブコミッショナー候補のペティショニング

 コミッショナー候補が、Threadネットワークをコミッショニングのためのインタフェースとして使用する場合、ネイティブコミッショナーと呼ぶ。ネイティブコミッショナーは、Threadネットワークを代表するデバイス(コミッショナールーター)を経由して、単独の承認されたコミッショナーになるためペティショニングをしなくてはならない。

 まず、コミッショナー候補はコミッショナーになるため、コミッショナールーターと認証ハンドシェークによるセキュアなコミッショニングセッションを確立し、コミッショナールーターを経由してリーダーにペティショニングをする。

 ペティショニングが成功すると、コミッショナー候補は唯一の認証されたネイティブコミッショナーになる。外部コミッショナーとは異なり、コミッショナーは結果として、Threadネットワークのメンバーのアクティブデバイスとなり、他のThreadデバイスとの全てのコミュニケーションはコミッショナーと直接やりとりされる。


ネイティブコミッショナーのペティショニングプロセス (クリックで拡大)

1.コミッショナールーターがコミッショナーのクレデンシャルを受け取ることから、ネイティブコミッショナーにおけるペティショニングのプロセスが始まる。コミッショナールーターデバイス自身に直接入力することもでき、信頼できるThreadデバイスに入力してコミッショナールーターに送ることもできる。

2.同じコミッショナークレデンシャルが、コミッショナー候補に入力される必要がある。その後、コミッショナー候補は登録プロセスを開始して、DTLSハンドシェークを始める。DTLSハンドシェークが成功すると、ボーダールーターは共通のコミッショナークレデンシャルを持つとの確認が行われ、コミッショナー候補の認証を完了する。

3.コミッショナールーターは、コミッショナー候補の代理でコミッショナー候補が承認を得るための調停をする。もし、既に他に承認されたコミッショナーが存在する場合は、コミッショナー候補は却下される。承認されると、それ以降のジョイナーに対しての唯一のコミッショナー、つまり、認証者となる。

4.承認されたコミッショナーは結果として、Threadネットワークに参加し全てのThreadデバイスと直接コミュニケーションができる。


ネイティブコミッショナーのペティショニングシーケンス (クリックで拡大)

ペティショニング承認

 ボーダールーターやコミッショナールーターが、コミッショナー候補からペティショニング要求を受けると、コミッショナー候補のIDとともにペティショニング要求をリーダー宛てに中継する。

 リーダーはリクエストを承認するか拒否するかのレスポンスを返し、ルーターにより中継される。コミッショナー候補が外部の場合、リーダーはボーダールーターをコミッショナーの代理であると他のThreadデバイスに通達して、ジョイナールーターとなり得るデバイスにジョイナーからのDTLSハンドシェークメッセージの中継先を伝える。


ペティショニング承認プロセス (クリックで拡大)

 さらに、通達によりビーコン情報もアップデートし、全てのThreadルーターがそれぞれのビーコンを修正して、ジョイナーを導くアシストを行う。

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