亡き父が残してくれたマルチ電圧出力ACアダプターの修理:Wired, Weird(1/3 ページ)
今回は、出力電圧や極性を変更できる便利なACアダプターを修理する。今は亡き父親が愛用していた品。父との思い出のためにも、ぜひとも再び動くようにしたい。
出力電圧、極性を変更できる“優れモノ”
父の遺品であるマルチ電圧出力のACアダプターが実家で処分されようとしていた。ACアダプターをよく見ると電圧の切り替えスイッチがあり、コネクターを差し替えると極性が変えることができる優れものだった。父とはあまり仕事の話はしていなかったが、ものづくりが好きだった父を思い出した。
AC電源を入れてみたがDC出力はなかったが、「修理できるかも」と思いつつ、思い出の品としてとりあえず持ち帰った。先日、一周忌を迎えACアダプターのことを思い出した。電気部品の箱からACアダプターを探し出し、通電してスイッチを切り替えてみたがやはりDC出力は出なかった。『父との思い出のためになんとか生かしたい』と思い修理することにした。今回は電圧切り替えスイッチがついたマルチ電圧出力のACアダプターの修理を報告する。
開封するためのネジはなし……
図1に切り替えスイッチ付きのマルチ電圧出力のACアダプターの写真を示す。
図1のACアダプターの表面にはスライドスイッチがあり、出力電圧が3V、4.5V、6V、9Vに切り替えられるようだ。また左側の出力プラグは先端部を逆に差し替えると出力の極性も変えることができると背面側に記載されていた。図2に示す。
このACアダプターの機能は修理用の治具としてはかなり便利そうだ。しかし開封するためのネジ類はなく、ケースはモールドで囲まれていた。モールドを無理やり切り開くしかなさそうだ。図2のケースの上側の2カ所の隅を金切のこぎりで切り、マイナスドライバーで無理やりこじ開けた。
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