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Threadにおけるボーダールーターの役割(後編)IoT時代の無線規格を知る【Thread編】(9)(2/4 ページ)

ホームネットワーク向け無線規格として注目を集める「Thread」を解説する本連載。今回は、Threadネットワーク内のノードと外部ネットワークにある他のデバイスとの接続を行う役割を持つ「ボーダールーター」のオペレーションと任務実行の例を解説する。

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ジョイニングプロセスで、コミッショナーの役割を兼務


(クリックで拡大)

 ユーザーが、デバイスR1を新たなノードに参加させるべくジョイニングを開始する。R1はThreadインタフェースのみが通信手段のデバイスである。BR1が適切なユーザーインタフェースを提供し、コミッショナーとしての役割を担うことができる。コミッショニングセッションはThreadネットワークにネイティブで扱われ、R1のコミッショニングとジョイニングにボーダールーターをまたぐデータのやりとりはない。

ボーダールーターの役割:リーダー、ジョイナールーター、コミッショナー


アドレスの割り当てと外部ルーティング

 R1がThreadネットワークに参加すると、ルーターとなり、BR1からマルチキャストルーティングとネットワークデータMLEアドバタイズを受信し始める。リーダーとグローバルプレフィックスDHCPv6サーバの役割は、BR1に集約されている。入ってくるアドバタイズの情報はその後、DHCPv6クライアントとしてR1に利用され、BR1に対してグローバルアドレスの割り当てを求めるユニキャスト要求メッセージが送られる。

 R1は、グローバルスコープのアドレスとBR1を経由した外部ルートを使い、アプリケーション層から家庭内の無線LANやインターネット上のノードへやりとりを行える。

ボーダールーターの役割:リーダー、外部ルーティング、グローバルプレフィックスのDHCPv6サーバ、パケットとポートのフィルタリング


外部コミッショナーによるペティショニング


外部コミッショナーがBR1に登録する (クリックで拡大)

 ユーザー操作により、Threadネットワークに参加していないデバイスCを、新たなコミッショナーとするためのペティショニングが開始された。新しいコミッショナーは同じ無線LANネットワークセグメントに参加しているか、BR1の外部インタフェースに接続を確立可能なモバイルデバイスが想定される。

 共有のペテイショニングパスフレーズにより、CとBR1の間でDTLSハンドシェークが完了し、コミッショニングセッションが開かれる。ここの想定では、BR1がリーダーの役割も担い、ペティショニングに伴うメッセージは外部ネットワークだけに流れる。

 またBR1が、リーダーの役割として新しいデバイスをコミッショナーとして登録すると想定する。BR1は自身をコミッショニングリレーをするとアドバタイズする。

 他にも、Threadネットワーク内で、新たなルーターであるR1を経由した他のデバイスへのペティショニングを想定した異なるコミッショナーも想定できる。

ボーダールーターの役割:リーダー、外部ルーティング、外部ペティショニングサーバ、コミッショニングリレー


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