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技能検定3級シーケンス制御作業にチャレンジ【後編】Wired, Weird(1/3 ページ)

前回に引き続き、「国家技能検定3級(シーケンス制御作業)」の受験対策指導の模様をお伝えする。今回は、演習問題を使って具体的にプログラムの作り方を紹介していく。

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今回はプログラムを演習問題に沿って作成

 前回はシーケンサーや開発ソフトの簡単な使い方とシーケンサーの技能検定試験(国家技能検定3級[シーケンス制御作業])の流れを説明した。今回は技能検定対策として、演習問題を使って具体的にプログラムの作り方を説明していこう。ちなみにこの演習問題は高等専門学校生を対象にしたインターンシップ用に作ったものだ。演習問題を以下に示す。

演習問題

【内容】

  • 荷物の搬送ケースを移送させるベルト制御

【動作】

  • 起動スイッチを押すと機器に電源が供給され、停止スイッチを押すと電源が遮断される。
  • A位置で搬送ケースに荷物を入れ、配送スイッチを押すとB位置までベルトコンベアで荷物を移送する。
  • B位置に達したらベルトを停止させ、荷物到着表示を点灯させる。
  • 荷物を受け取り返送スイッチを押すと、ベルトが逆回転し、空ケースがA地点へ戻る。
  • ベルトを停止させ、ケース到着の表示を5秒間点灯させる。
  • ベルトが移動中には、危険なためベルト動作中のランプを点滅させる。
  • なお、A位置、B位置にはケースを感知するセンサーが設置されている。

【I/O割付表】

入力 Xポート 機能(メモ) 出力 Yポート 機能(メモ)
起動スイッチ     電源投入表示    
停止スイッチ     ベルトA→B    
配送スイッチ     B到着表示    
返送スイッチ     ベルトB→A    
A位置センサー     A返却表示    
B位置センサー     ベルト動作中    

【イメージ】


(クリックで拡大)

 この問題はシーケンサーの6個の入力と6個の出力を使って、ベルトを正転、逆転させて荷物を入れたケースを移送させる搬送システムに関する問題だ。国家技能検定3級[シーケンス制御作業]も過去に、これと類似した搬送動作の問題が出されている。

ポイントは「モーターの回転方向の制御方法」

 この搬送システムのハードウェアを理解する上で最も重要になるポイントがモーター回転方向の制御方法だ。モーターにはブラシ付きモーターを使用している。ブラシ付きモーターは印加する電源の極性を変えると回転方向が変わるという特徴を持つ。演習問題の【イメージ】左下にモーターとリレー接点の接続回路が記載されている。2つのリレー接点のコモンはモーターに、NCはGNDに、NOは電源に接続されている。2つのリレーがオフになっている時はモーター両端に0Vが接続されるので、モーターには電磁ブレーキがかかり停止する。左側のリレーがオンすれば、モーターの左から右へ電流が流れてモーターは右回転を行う。右側のリレーがオンすれば、モーターの右から左に電流が流れてモーターは左回転になる。もし誤って両方のリレーをオンされた場合には、モーターの両端は24Vに接続されるので、モーターには電磁ブレーキかかかって停止することになる。その他のハードウェア部分の回路図は簡易な入出力の回路になるので記載を省いている。シーケンサーの各入力にはスイッチやセンサーの接点を接続し、シーケンサーの各出力には表示用ランプを接続している。

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