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ヒューズ(4) ―― ヒューズの使用上の注意点中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(10)(1/3 ページ)

“電子部品をより正しく使いこなす”を目標に、ヒューズを取り上げてきましたが、ヒューズ編も今回で最終回になります。最終回はまとめとして「ヒューズを使う上での注意事項」を紹介します。

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 ここまで繰り返し説明してきた通り、ヒューズは安全規格の認定部品です。つまり、多くの国で法律、もしくは同等の規制の下に置かれるものですので常に安全規格の最新版を参照、優先してください。

 今回はヒューズ解説のまとめとして、ヒューズを使う上での注意事項を説明したいと思います。

ヒューズの使用上の注意点

ヒューズ交換用同軸型ヒューズホルダー

 本資料で説明している電子機器用のヒューズは使い方を間違えなければヒューズのみが単体で故障することは極めてまれであり、切れる場合のほとんどは回路に異常が発生した時です。
 ですから電子機器でのヒューズの使用目的は『被害が広がらないこと』および、『異常が持続しないこと』などが主目的になり、ヒューズ交換で本当に機能が回復することはないと考えても良いかと思います。

 一方、モーターやトランス式ACアダプターおよび、一部のオーディオ機器など過電流保護のない機器では過負荷になった場合や一時的な短絡などの保護からの復帰のためにユーザーがヒューズを交換できるように同軸状のヒューズホルダーが表面に出ているタイプの機器があります。
 この場合にはヒューズをホルダーの軸方向に挿入することになりますので感電に注意が必要です。


図1:ヒューズホルダーの誤配線による感電

 商用電源は接地側であるAC(N)*)と活電側であるAC(L)が決まっています(図2)。そしてヒューズは保護のために必ず図1(a)の回路図に示すように、活電側の最も受電端に近いところに挿入しなければなりません。


図2:ACコンセントの例

 しかし、交換式の同軸型ヒューズホルダーは図1(b)に示すように2つの端子が同軸上に並んでいます。この場合には必ず開口部に近い端子を負荷側に接続します。
 逆に図1(c)のように開口部に近い端子を活電部に接続すると、負荷側のスイッチがOFFであったとしてもヒューズ挿入時にヒューズリンクを介して作業者が感電する危険性を持ってしまいますので絶対に避ける必要があります。

*)AC(N):Nuetrual(ニュートラル)側を意味し、接地されています。
  AC(L):Live(ライブ)側を意味し、活電部と呼ばれ帯電しています。欧州などでは"Line"と称する場合もあるようです。
 JIS-C-8303のACコンセントの寸法例を図2に示します。微妙に幅が広い方がAC(N)で、WあるいはNと表記されている場合があります。

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