±0.3%の精度で電流、電圧を測定する電力モニター:アナログ・デバイセズ LTC2992
アナログ・デバイセズは、±0.3%の精度で電流、電圧を測定する電力モニター「LTC2992」を発売した。追加回路を使用せず、2つの0〜100Vの電源レールの電流、電圧および電力をモニターできる。
0〜100Vの電源レールの電流、電圧および電力をモニター
アナログ・デバイセズは2017年10月、±0.3%の精度で電流、電圧を測定する電力モニター「LTC2992」を発売した。追加回路を使用せず、2つの0〜100Vの電源レールの電流、電圧および電力をモニターできる。1000個購入時の参考単価は3.85米ドル。16ピン、4×3mmのDFNパッケージおよび16ピンのMSOPパッケージで提供される。
LTC2992は、全未調整誤差が±0.3%未満(全温度範囲)のΔΣ(デルタシグマ)型A-Dコンバーター3個と乗算器1個を使用し、8ビットまたは12ビットの電流・電圧測定を行い、24ビットの電力測定値を提供する。LTC2992の電源は、3〜100Vのモニターしている電源、2.7〜100Vの補助電源、内蔵のシャントレギュレーターから選択できる。
内蔵のシャントレギュレーターは、100V以上の電源や負電に対応。A-Dコンバーター入力として設定可能な4つのGPIOにより、近接した補助電圧も測定できる。また、400kHzのI2Cインタフェースは、9個のデバイスアドレスとスタックバスリセットタイマーに加え、分割されたSDAピンを備えている。
動作温度範囲は、0〜70℃のコマーシャルバージョンと−40〜85℃のインダストリアルバージョン、−40〜125℃の車載バージョンをそろえた。48Vのテレコム機器やアドバンストメザニンカード(AMC)、ブレードサーバなどでの用途を見込む。
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