ニュース
薄型パッケージの大電流給電ソリューション:Vicor Power-on-Package
Vicorは、48Vバスから降圧して電流を増幅し、ピーク時最大1000Aの供給を可能にする、給電ソリューション「Power-on-Package」を発表した。
ピーク時最大1000Aの給電が可能
Vicorは2018年3月、高性能なGPU、CPU、ASICプロセッサ(XPU)に隣接して実装し、ピーク時最大1000Aの電流供給を可能にする「Power-on-Package(PoP)」のチップセットを発表した。モジュール型カレントマルチプライヤー「MCM4608S59Z01B5T00(MCM)」2個とモジュール型カレントマルチドライバー「MCD4609S60E59H0T00(MCD)」で構成される。
PoPモジュールは、高性能コンピュータや大規模データセンターで用いられるFactorized Power Architecture(FPA)システムを基盤とする。このFPAが高性能なGPU、CPU、XPUに対して効率的に電力を供給し、XPUへの48Vから1V以下への直接変換をサポートする。48Vバスから降圧して電流を増幅するため、大電流を必要とするAI(人工知能)プロセッサや自動運転システムの開発を可能にする。
同チップセットは、最大1Vで600A、ピーク時で最大1000Aの給電に対応。MCMは低ノイズ特性を持ち、かつ46×8×2.7mmの薄型パッケージのため、GPU、CPU、XPUなどの基板内へのパッケージングやそれらに隣接した実装に適している。XPUへ近接して配置できることから、大電流経路上で発生していた物理的な電力損失や帯域幅の制限の問題を解消する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 24V入力20A出力のZVS降圧レギュレーター
Vicorは、24V、28V入力アプリケーション向けに、20Aまでの安定化された5V出力を提供するZVS(ゼロ電圧スイッチング)降圧レギュレーター「PI3325-00-LGIZ」を発表した。ZVS方式により、高い入力電圧からでも低い電力損失で高効率に変換出力が行える。 - 車載電子機器の市場トレンドと求められる電源IC
ハイブリッド車や電気自動車をはじめとして自動車でのバッテリー搭載が進んでいます。また、自動車の電源電圧の48V化も進みつつあります。そうした自動車市場のトレンドを見ながら、どのようなバッテリーマネジメントICや電源ICが求められているのか考察していきます。 - POLコンバータ選択の指針
機器設計者にとっては、日々進化を続けるLSIの高いパフォーマンスを、いかに最大限に引き出すかということが課題となっている。そのための第一歩として重要になるのが、LSIの動作電圧供給に用いる電源の選択と設計である。本稿では、ハイエンドLSIの電力供給に使われるPOLコンバータは、どのような条件を満たしていなければならないのかを説明する。 - CPUの中枢「ALU」を作ってみよう
CPUはマイコンの中枢ですが、さらにその中で演算を行うユニットがALU(Arithmetic and Logic Unit)です。マイコンの核に相当するといってもよいでしょう。実際の算術演算、論理演算はALUで行われます。今回は、ALUの中身がどうなっているかを説明します。 - 制御用PCの修理(前編) CPU横の膨れたコンデンサー
半導体製造装置に使用されている制御用PCの修理が舞い込んだ。「電源が入らない」という症状だったので電源の不良を疑ったが、CPU基板に故障原因があった……。今回から2回にわたり、制御用PCの修理の様子を報告しよう。 - マイコン周辺部品の選び方――電源編
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「マイコン周辺部品の選び方――電源編」です。