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FAN(1) ―― ファンの種類と特徴、選び方中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(19)(2/4 ページ)

FAN(ファン)は、一般の電気回路設計者にはなじみの薄い部品であり、使い方などの注意事項も徹底されていません。しかし、機器の小型化、電力密度の向上などによって電気回路設計者にも無縁の部品と言えなくなってきていますので簡単にファンの使い方について説明します。

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2. 軸受(bearing)による分類

❶転がり軸受 玉軸受(ボールベアリング、など)
ころ軸受(ローラーベアリング、テ−パーロ−ラーベアリング、など)
❷すべり軸受 スリーブベアリングと呼ばれる油軸受や空気軸受などのすべり軸受

 この他にも特殊軸受として、磁気軸受や流体軸受などがあります。

 小型のファンモーターには主として❶のミニチュアボールベアリングや、❷のオイルレスメタル*1)と呼ばれるすべり軸受が用いられます。

*1)金属系焼結型オイルレスメタルは銅合金の粉末を型に入れて成形し、高温で焼結して作成されます。構造的には金属粉が部分的に溶着した発泡体様になりますので、この隙間に潤滑油を真空含侵法で注入し、内部に潤滑油を包含したような金属に仕上げます。耐衝撃、耐熱性、往復運動、揺動運動、耐食性などに優れます。
 主な用途は紙を扱うような油成分を嫌う環境や、水中軸受のような油が使えない環境、油の耐久性に問題があるところに向いており、比較的すべり速度が低く、荷重の大きい領域で使用されます。

3. 羽根の形状による分類

 電子機器に主として用いられるファンの種類と特徴について表1表2に記します。
(代表的なものですので詳細は、メーカーへ問い合せるか、専門書を参考にしてください)

軸流型:プロペラファンのように回転体の軸方向へ流体が流れます。
幅流型:シロッコファンのように回転体の幅(高さ)面から流体が流れます。


表1:ファンの種類と特徴

表2:ファンの風量・静圧分布イメージ図

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