電池と配線が不要のモーター監視IoTソリューション:ローム EnOceanソリューション
ロームは、同社製の無線通信デバイス「EnOcean」を活用し、モーターの稼働状況や経年劣化を遠隔監視するIoTソリューション「リモータ・プロ」をドーワテクノスが開発したと発表した。
1システムで5台分の商用直入れモーターを監視
ロームは2018年7月、無線通信技術「EnOcean」を活用し、モーターの稼働状況や経年劣化を遠隔監視するIoT(モノのインターネット)ソリューション「リモータ・プロ」をドーワテクノスが開発したと発表した。1システム当たりの初期費用は150万円で、年間使用料は6万円となる。同年8月に発売の予定だ。
センサーユニット(電流センサー、温度センサー)、受信端末、モバイル回線、クラウド、監視画面のアプリケーションを提供し、1システムで5台分の商用直入れモーターを監視できる。現在、負荷電流、漏れ電流、モーター温度、外気温の4項目の測定が可能で、今後、振動測定の試験を追加する予定だという。
電流センサーは負荷電流と漏れ電流を、温度センサーはモーター温度と外気温をそれぞれ1つのユニットで測定できる。どちらのセンサーも環境発電で駆動し、電源配線を不要にした。
各センサーユニットからは、EnOcean無線通信を利用してデータを発信し、専用の受信機でデータを受信するため、通信配線も不要だ。中継機を使用すれば、広いエリアでも対応できる。ユーザー側では、サーバシステムの構築、ネットワークの敷設、監視用ソフトウェアの購入などは必要ない。メールによる異常通知も設定できる。
収集したデータは、モバイル回線を通じて専用クラウドに蓄積するため、PC、タブレット、スマートフォンからいつでも監視できる。センサーの現在値や通信レベルをリアルタイムに確認する「モニター画面」と、各種センサーの平均値や積算値、異なるセンサーからの値の相関関係をモニタリング可能な「統計情報画面」も提供する。
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