IoT機器に適したコイン形リチウム電池:村田製作所 CR2032R、CR2450R、CR2032X、CR2450X、CR2477X、CR3677X
村田製作所は、IoT機器に適したコイン形リチウム電池のラインアップに2タイプを追加した。最大パルス放電電流50mAの「大電流タイプ」と、使用温度範囲を−40〜85℃に拡大しつつ、耐熱タイプより価格を抑えた「準耐熱タイプ」だ。
村田製作所は2018年10月、IoT(モノのインターネット)機器に適したコイン形リチウム電池のラインアップに「大電流タイプ」「準耐熱タイプ」を追加した。現在、サンプルを出荷中で、量産品は2019年1月から出荷する(準耐熱タイプ「CR3677X」は2019年末に出荷予定)。
大電流タイプは、最大パルス放電電流が従来比で約2倍の50mA。ピーク電流が高いため使用が困難だった、LoRaなどのLPWA通信機器にも使用できる。また、放電時間が従来の約3倍に延長し、電池交換の頻度を減らせる。
容量は「CR2032R」が200mAh、「CR2450R」が500mAh。推奨連続放電電流値は、どちらも≦3mAだ。主な用途として、LPWA通信方式のトラッキングデバイスや屋外インフラ、FA制御機器、環境監視センサーなどを見込む。
使用温度範囲が拡大し、電子部品へも搭載可能に
準耐熱タイプは、既存の耐熱タイプより価格を抑えた、性能とコストのバランスに優れたモデルとなっている。使用温度範囲が−40〜85℃に拡大したことで、電子部品やICへの搭載が可能になった。85℃で100日以上保存した場合でも、標準タイプと比べて高電圧を維持する。
容量は「CR2032X」が220mAh、「CR2450X」が610mAh、「CR2477X」が1000mAh、「CR3677X」はコイン型リチウム電池では最大容量となる2000mAhだ。推奨連続放電電流値はいずれも≦1mA、最大パルス放電電流は30mAとなる(CR3677Xのみ80mA)。
準耐熱タイプは、スマートメーターやFA制御機器といった屋外IoT機器、車載デバイスへの用途を想定する。他に、従来の円筒形電池の代わりとしても使用できる。
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