車載映像機器向けインタフェース変換IC:セイコーエプソン S2D13V70
セイコーエプソンは、車載映像機器向けインタフェース変換IC「S2D13V70」を発表した。eDPの映像信号をOpenLDIに変換し、現行の車載ディスプレイに対して高速で高解像度の映像を入力可能にすることから、車載ディスプレイ開発の効率化に貢献する。
セイコーエプソンは2019年2月、車載映像機器向けインタフェース変換IC「S2D13V70」を発表した。8×8×1.2mmのPFBGA8-81パッケージで供給され、サンプル価格は500円(税別)。既に、受注を開始している。
映像信号を伝送するインタフェース規格は、OpenLDI(open LVDS display interface)が広く使われている。現在、より高解像度の映像を高速で送れるeDP(Embedded DisplayPort)対応製品が増えているが、車載機器ではまだ主流でないため、開発の際には、eDP対応の映像信号をOpenLDIに変換する必要がある。
eDPの映像信号をOpenLDIに変換
S2D13V70は、eDPの映像信号をOpenLDIに変換可能なICで、現行の車載ディスプレイに対して高速で高解像度の映像入力を可能にすることから、車載ディスプレイシステム開発の効率化に貢献する。動作温度範囲は−40〜105℃で、AEC-Q100に準拠するなど、車載向けの厳しい要件を満たしている。
入力インタフェースはeDP rev.1.4aが2レーンで、レーン当たり最大2.7Gビット/秒。出力インタフェースはOpenLDI-Txが2チャンネルで、最大154MHz/チャンネルだ。表示解像度は、60フレーム/秒で最大1920×1200ピクセルとなっている。
また、システム制御装置(ECU)が出力した映像信号を正しく受信できているか確認するCRC機能を搭載。ECUとの間の伝送経路に異常が発生すると、特定の画像パターンでマスクするブランクスクリーン機能や、16バイトキャッシュによるチェックサムのSPIコネクション機能など、車載機器に要求される安全機能を備える。
他に、スプリッタ機能を有し、Full-HDまでの範囲であれば同じ解像度の画像を2枚のディスプレイに同時出力できるので、メータークラスターを2枚のディスプレイで構成するといった設計にも対応できる。
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