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MOSFETを内蔵した降圧レギュレーターで電力密度を向上集積化で実現(2/3 ページ)

集積化は半導体エレクトロニクスの基本であり、類似機能や補完機能を単一デバイスに統合する技術が、業界全体に活気をもたらします。パッケージング、ウエハー処理、リソグラフィの進歩と相まって、フィーチャ密度も上昇し続けており、物理的サイズと電力の両面においてより効率の良いソリューションの提供につながります。

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マルチチップモジュール

 単一パッケージに複数のコンポーネントをまとめて搭載することは、モノリシックまたはマルチチップモジュールの方法で実現できます。

 高いレベルでは、同期型降圧レギュレータートポロジー、コントローラー、ゲートドライバとスイッチングパワーMOSFETの3つの重要な機能があります。コントローラーとドライバを集積し、外部MOSFETを接続して使用するデバイスの例もありますが、システムエンジニアにとって真のメリットとなる3つの機能を全て1つに集積したデバイスはほとんどありません。

 このレベルの集積化を実現している製品の一例が、電圧モード同期型降圧レギュレーター「FAN650xx」ファミリ(オン・セミコンダクター製)です。図1に代表的なアプリケーションにおけるFAN650xxの機能図を示します。


図1:代表的なアプリケーションにおける「FAN650xx」

 ハイサイドMOSFETとローサイドMOSFETを同一パッケージに集積する大きなメリットは、MOSFETがドライバに対して十分に最適化されていることです。従来の方法では、MOSFETは外部にあり、出力電流要件に応じて選択されます。これは利点でもありますが、所要電流を設計する際にいくつかの課題が生じます。

 供給可能な実際の電源電流は、やはり集積化されたゲートドライバの容量によって制限されますが、外部MOSFETの主な課題はハイサイド電流検出のために制御ループを閉じることです。過電流保護だけでなくレギュレーションも行うため、ソリューション全体にとって重要な部分です。

 内部MOSFETをコントローラーやドライバと一緒に設計することにより、回路の全ての部品間の温度係数がより緊密にマッチングされ、はるかに高い精度を実現します。外部MOSFETを使用するトポロジーではこの緊密なマッチングが失われ、効率が低下する可能性があります。

 マルチチップソリューション用のコンポーネントを実際に開発するもう1つのメリットは、ゲートドライバとMOSFET間でより優れた設計最適化が可能になることです。つまり、ドライバのスルーレートをMOSFETに合わせることができます。これにより、スイッチノードのリンギングが減少し、シュートスルーやクロス導通の危険性がなくなります。モジュラー方式では、電源設計の障害点が1つしかないため信頼性も向上します。

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