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ファンクションジェネレーターの用途と校正ファンクションジェネレーターの基礎知識(3)(2/5 ページ)

ファンクションジェネレーターはマイクロヘルツオーダーの超低周波から、メガヘルツオーダーの高周波まで発振ができるため、電気/電子回路の評価以外にも、部品、材料、機械、構造物、生体など幅広い用途の試験に使われている。ここではいくつかの応用分野について紹介を行う。また、ファンクションジェネレーター校正方法についても紹介する。

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車載電装品の電源試験(1)

 自動車に搭載された電子回路が常に正常に動作することを確認するための試験はISO規格で規定されている。この中で電源電圧変動試験(ISO 16750-2)はシーケンス動作が可能なファンクションジェネレーターとバイポーラ電源を組み合せて試験環境が構築できる。


図5:車載電装品の電源電圧変動試験環境

 発生する波形の事例として、ISO 16750-2:2012 Starting Profile(起動プロフィール)を図6に示す。この波形はファンクションジェネレーターのシーケンス機能を使えば、発生することは容易である。


図6:ISO 16750-2:2012 Starting Profile(起動プロフィール)

車載電装品の電源試験(2)

 ISO 11452シリーズでは車載電子機器が無線機器や放送機器からの電磁的な影響に耐えることを試験する方法が規定されている。この規格で周波数が低い15Hzから250kHzの範囲の影響を試験する仕組みにはファンクションジェネレーターが利用できる。


図7:ISO 11452-10(拡張オーディオ周波数範囲における伝導妨害へのイミュニティ)環境

エンジンECU評価

 図8に示すようにエンジンの燃焼制御を行うためにクランクとカムに回転センサが取り付けられており、エンジンECUにクランクとカムからのセンサー信号が入力される。エンジンECUは最適な燃料噴射と点火を制御する。


図8:エンジンの燃焼制御

 エンジンECUを評価する際に実際のエンジンからクランク角信号やカム角信号を使わないで、2出力のファンクションジェネレーターを使ってエンジンECUの評価を行うことができる。任意波形発生機能とシーケンス機能を使えば容易に発生波形を作ることができる。


図9:エンジンECUの評価

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