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DC-DCコンバーターの安全性(4)傷害の危険性と安全設計DC-DCコンバーター活用講座(29)(1/4 ページ)

前回に引き続き、DC-DCコンバーターの安全性に関して説明します。今回は、DC-DCコンバーターの「傷害の危険性」「安全性設計」「医療安全性」を取り上げます。

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傷害の危険性

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 ほとんどのDC-DC電源は基板に装着されていて消費者はアクセスできません。

 ですが、耐用中に修理技術者がアクセスを必要とする場合があるので、高温や鋭利な先端による傷害の危険性があってはいけません。


高温面

 皮膚の熱傷点は、10分以上接触する場合は約48℃ですが、人には高温表面からすぐに手を引いたり高温の物体を落としたりする反射行動があるため、電源ではそれより高い温度が許容されます。国際的なIEC60950規格では、接触することのできる表面または物体の温度上昇限度を、接触時間と材料に応じて以下のように規定しています。

表1:接触可能な物体の温度上昇限度 出典:RECOM
対象 接触時間 材料 温度上昇
限度
ハンドル、ノブなど 連続的 全て 55℃
短時間(<10秒) 金属 60℃
金属以外 70℃
高温表面 瞬間的(<1秒) 金属 70℃
金属以外 80℃

 多くの電源では、一定の動作条件下でヒートシンクなどの金属部品が高温に達し、熱傷危険として分類されることがあります。この場合、保護のために囲いを施す必要があります。また、修理または保守作業者が熱傷危険の警告を適切に受けられるように、高温面を含んでいることを示す警告記号を付けることが必要な場合があります。


図1:高温面の危険信号 出典:RECOM

鋭利な先端

 電源に可動部分はありませんが、例外があるとすれば高出力デバイスの冷却ファンです。従って、主に機械部品を動かすことで生じる動的危険は当てはまりません。それでも、機械部品に鋭利な先端や角があると、組み立てや修理の作業者にとって危険となる可能性があります。鋭利な先端に対する標準検査には、柔らかいゴム製プローブに皮膚の切断抵抗を再生できる特殊テープを巻きます。プローブには一定の圧力をかけられるバネがついており、あらゆる機械部品に沿って動かすことができます。鋭利な先端があれば、テープが裂けて開き、その下にある異なる色のゴムが現れます。この方法で簡単な合否検査を実施できます。

実用的ヒント
ほとんどの低出力DC-DC電源は射出成型されたプラスチックケースに入れるので、鋭利な先端がなくなるように金型を設計することができます。ただし、成型材料がパーティングラインから漏れると、わずかな余剰プラスチックにより「バリ」と呼ばれる鋭利な先端ができることがあります。これは、手作業、または回転させながら研磨材を使う方法でバリ取り加工を行って取り除く必要があります。一部の高出力コンバーターには、金属ケースを使用するものやヒートシンクを搭載するものがあります。通常はアルミニウムや銅などの柔らかい金属でできているので、機械加工によるバリを組み立て前に手工具で取り除くのは比較的容易です。

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