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ポイントは“負電源” ―― 高性能温度調整器の修理Wired, Weird(1/3 ページ)

国内の著名なメーカーが製造した高性能温度調節器(以下、温調器)の修理依頼があった。修理依頼書には『故障』とだけ記載されていた。今までさまざまなメーカーの温調器を修理してきたので、直せる自信はあったが、この機種は初めて修理するものだった。今回はこの温調器の修理の様子を報告する。

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 国内の著名なメーカーが製造した高性能温度調節器(以下、温調器)の修理依頼があった。修理依頼書には『故障』とだけ記載されていた。今までさまざまなメーカーの温調器を修理してきたので、直せる自信はあったが、この機種は初めて修理するものだった。今回はこの温調器の修理の様子を報告する。

「Err2」と「Fail」が点灯

 まずは修理を依頼された温調器のパネル内側に取り付けられていた基板の写真を図1に示す。写真には温調器のメーカーや製品名が分からないよう配慮している。


図1:高性能温度調節器の表示パネル部分(メーカー名、製品名が特定できないよう一部加工している)

 故障状況を調べるため、温調器に通電すると立ち上げ時は内部に設定されたデータを表示し、正常な起動が見られた。だが、その後「Err2」が表示され、さらに「Fail」を示す赤色のLEDが点灯した。図2に示す。


図2:「Err2」と「Fail」の表示が点灯した

 温調器のマニュアルを入手して、Err2の点滅とFailの意味を確認した。図3に示す


図3:温調器のマニュアルにあったエラー表示に関する記載

 図3からErr2点滅とFail表示はCPU周辺のハードエラーだと分かった。Failランプには3つの要因があるが、1つ目のROMエラーはイニシャル表示が正常だったので除外できた。2つ目のCPU電源エラーの可能性が高いのでCPU基板の電源を確認した。5Vの電源には2つの電位があり、1つは5.01V、もう1つは5.42Vで後者がCPUへ供給されていた。5.42Vでは一般的な電圧範囲の5V±5%を超えており、この電位が故障原因になっている可能性が疑われた。

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