ニュース
5Gスマホ向け、0.25mmの薄型ベーパーチャンバー:大日本印刷 べーパーチャンバー
大日本印刷は、5G対応スマートフォン向けに、0.25mm厚の放熱部品「べーパーチャンバー」を開発した。従来品と同等以上の放熱性能を保持しつつ、厚みが従来品と比較して約3割薄くなっている。
大日本印刷は2020年1月、第5世代通信規格(5G)対応スマートフォン向けに、0.25mm厚の放熱部品「べーパーチャンバー」を開発したと発表した。
5Gに対応したスマホの普及が見込まれるなか、データ処理量増加に伴うアプリケーションプロセッサや通信用ICなどの過熱対策が求められている。また、5G化によって搭載部品の点数が増え、消費電力の増加によりバッテリーサイズが大きくなる一方で、薄型のスマートフォンへのニーズは高い。
今回、同社が開発したべーパーチャンバーは、従来品と同等以上の放熱性能を保持しつつ、厚みが従来品と比較して約3割薄くなった。バッテリー容量の大型化に必要なスペースを確保できるため、スマートフォンの薄型化と過熱対策の両立が可能となる。
内部の液体が熱源部分の温度上昇を抑制
平板状の金属板を貼り合わせた中空構造で流路が構築されており、内部には純水などの液体が封入されている。液体が蒸発と凝縮を繰り返しながら熱を運ぶことで、ICなどの熱源部分の温度上昇を抑えることができるという。
同社は今後、2020年秋までにべーパーチャンバーの量産を開始する。また、より薄い0.20mm厚の製品を開発し、2025年度の売上高200億円を目指すとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Thunderbolt 3対応の防水コネクター
ミネベアミツミは、Thunderbolt 3に対応し、IP68に準拠した防水コネクター「CAM-L41」を発売した。データ伝送速度は最大40Gビット/秒で、水深1.5mでも30分間の防水性を持つ。 - 高効率のI/O用途向け放熱ソリューション
タイコ エレクトロニクス ジャパンは、I/O用途向けのサーマルブリッジソリューションを発表した。サーマルブリッジ構造のプレートギャップをほとんどなくすことにより、圧縮と熱伝達を最適化。従来の熱伝導技術と比べて最大2倍の熱抵抗を持つ。 - 1005サイズ定格電圧100VのMLCC
太陽誘電は、1005サイズの積層セラミックコンデンサー11種を商品化した。いずれも定格電圧100Vで、車載向け電子部品の信頼性試験規格AEC-Q200に準拠する。静電容量が220pF〜0.01μFまでの幅広いラインアップとなっている。 - 音質劣化抑制ノイズサプレッションフィルター
TDKは、ノイズサプレッションフィルター「MAF1608GAD-L」タイプを発表した。ノイズ除去特性を維持しつつ、音声ひずみを抑制する低歪フェライト材料を採用。また、内部構造を最適化することで、音質劣化を防止する。 - 静電容量0.1μFの積層セラミックコンデンサー
村田製作所は、0.25×0.125mm(0201Mサイズ)と小型ながら、静電容量0.1μFを可能にした、積層セラミックコンデンサー「GRM011R60J104M」を発表した。 - 最大2.5Aの統合型非反転昇降圧DC-DCコンバーター
日本テキサス・インスツルメンツは、統合型非反転昇降圧DC-DCコンバーター「TPS638xx」ファミリーを発表した。出力電流2Aの「TPS63802」「TPS63805」、同2.5Aの「TPS63806」「TPS63810」の4種を提供する。