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高耐圧大電流スナバ回路向け金属端子タイプMLCC:村田製作所 KCM、KRMシリーズ
村田製作所は、金属端子タイプの温度補償用積層セラミックコンデンサーとして、自動車用「KCM」シリーズと、一般用「KRM」シリーズの量産を発表した。車載、産業機器用IGBTのスナバ回路への適用を見込む。
村田製作所は2020年5月、金属端子タイプの温度補償用積層セラミックコンデンサー(MLCC)として、自動車用「KCM」シリーズと一般用「KRM」シリーズの量産を発表した。車載、産業機器用IGBTのスナバ回路への適用を見込む。
定格電圧は最大1250Vdc
両シリーズは、温度補償用セラミック材料を採用することで、高誘電率系セラミック材料に比べて損失、自己発熱、静電容量変化を低く抑えている。また、2段に積み重ねた大容量コンデンサーに金属端子を接合することで、基板にかかるストレスを緩和し、基板たわみクラック、ハンダクラックを低減した。サイズは6.1×5.1×4.8mmで、金属端子幅は0.9mm±0.2mm。
KCMシリーズは、エンジンECU(Electronic Control Unit)などの駆動系制御、セーフティ機器での利用を見込む。定格電圧は630〜1000Vdc。KRMシリーズは、DC-DCコンバーターの平滑、ノイズ抑制での利用を見込み、定格電圧は630〜1250Vdc。いずれも使用温度範囲は−55〜+125℃で、温度特性はU2J特性。静電容量は8.2〜94nFとなる。
スイッチング時の高電圧スパイク発生を抑えるスナバ回路を構成するコンデンサーとして使用することで、トランスや配線などのインダクタンスにより発生するサージ電圧を吸収し、スイッチング素子や周辺部品を保護する。
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