電解液でひどく腐食した片面基板の修理【後編】:Wired, Weird(2/3 ページ)
電解コンデンサーから強アルカリの電解液が漏れた片面基板の修理の続きを報告する。基板の動作確認ができるように本体部も一緒に送ってもらった。修理依頼された機器は専用機器のローターを駆動する制御器だった。
部品交換し、ランド/パターンも補強
図5で取り外した電解コンデンサーとレギュレーターのランドも剥げかかっていたので部品のリードを利用して、剥離したパターンの補強も行った。またランドを補強するために、ランドに鉛ハンダを追加して剥がれを防止した。腐食した周辺のパターンにつながっている抵抗、トランジスタの特性を部品テスター「LCR-T4」で確認したが正常だった。
本体に組み込み、基板の主要部分の電圧を測定した。右上の電源接続のコネクターの電圧は1,2端子にDC43V、3,4端子にAC17Vで、整流後のDC18Vの電圧が電解コンデンサーとレギュレーターに接続され、出力はDC14.8Vの電源でレギュレーターは正常に動作した。
次に本体に組み込んでモーター出力の電圧を確認し、つまみを回して出力電圧が変わるかどうかを確認した。図6に示す。
図6で右下の出力コネクター(黄と黒の配線)にローターの代わりに220Ωの抵抗を接続し端子電圧をテスターとオシロスコープで確認した。出力電圧は機器の右上のつまみで設定されていた。
図6上左図はつまみが一番左側にある時で出力電圧は1.2Vでオシロスコープには交流波形が見えた。上右図はつまみを少し回して出力電圧5.8Vの時の様子だがオシロスコープには直流+交流の波形が見えた。下図はつまみを3分の1程度に回した時の電圧で直流のみの10.3Vが出力波形された。この結果で直流モーターの回転は正常に制御できると思われた。
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