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FFTアナライザーの歴史と選定するための仕様の理解FFTアナライザーの基礎知識(1)(2/5 ページ)

信号の波形観測では、オシロスコープ、メモリレコーダー、記録計といった時間の経過に伴って信号強度の変化を観測する時間領域の測定器が多く使われる。しかし、信号に含まれる周波数成分を観測したいときは、周波数分析器が必要になる。今回は低周波信号の周波数成分を観測するFFTアナライザーについて解説を行う。

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サウンドスペクトログラム

 サウンドスペクトログラムは、人の声の特長(声紋)を分析するために開発された装置である。この装置の原理はヘテロダイン方式のスペクトラムアナライザーと同じであるが、記録はペンで紙に書く仕組みとなっている。人の声紋によって個人を特定することができるため、犯罪捜査に使われることもあった。日本では1963年にあった誘拐事件で初めてサウンドスペクトログラムが捜査に使われた。


図4:サウンドスペクトログラムの構造 出典:サウンドスペクトログラフ(荒井隆行、日本音響学会誌 72巻9号(2016))

時間圧縮型周波数分析器

 FFTアナライザーに使える高分解能A-D変換器が登場する以前にあった製品である。周波数分析はヘテロダイン方式の回路によって行う。ヘテロダイン方式の周波数分析器は低周波の分析が得意でないため、周波数変換を行う仕組みが必要となる。

 A-D変換器で信号を取り込んで、記憶装置(シフトレジスタ)にいったん波形データを取り込む。そして取り込んだ波形データを高いサンプル周波数でD-A変換し、周波数を上げたアナログ波形をテロダイン方式の周波数分析器に入力する。

 FFTアナライザーが登場する以前に使われていた周波数分析器で、1980年代にはコンパクトなFFTアナライザーが登場し、時間圧縮型周波数分析器は使われなくなった。


図5:時間圧縮型周波数分析器の構造(クリックで拡大) 出典:音響スぺクトログラムカラー表示装置(日立評論−万国博特集号−、1970年)

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