ワインセラー用の海外製電源の修理(前編):Wired, Weird(1/3 ページ)
コロナ禍に伴うステイホーム期間中、SNS上に電解コンデンサーを探す投稿が上がった。ワインセラーの電源に使われている電解コンデンサーを探す内容だった。今回は、このワインセラー電源について報告する。
コロナ禍に伴うステイホーム期間中、SNS上に電解コンデンサーを探す投稿が上がった。ワインセラーの電源に使われている電解コンデンサーを探す内容だった。今回は、このワインセラー電源について報告する。SNSに投稿された写真を図1に示す。
図1で見る限り、電解コンデンサーに大きな劣化はなさそうだ。気になるのは電解コンデンサーが2個あり、トランスの駆動側にトランジスターも2個あることだ。この回路はハーフブリッジ方式のスイッチング電源と思われるが、AC100V用にはほとんど採用されていない回路だ。まずSNSに『電解コンデンサーでなく、他の部品が壊れていませんか?』とコメントを返した。不具合現象を正確に把握して、修理に着手しないと、修理の泥沼にはまり貴重な電源が廃棄せざるを得なくなるだろう。
投稿者にメッセンジャーで連絡して、ハンダ面の写真の提供を依頼した。図2に示す。
図2のハンダ面の写真は例によって上下反転に加工している。これなら、図1の部品の配置と図2を見れば回路の接続が分かりやすい。図2中央右下に赤い楕円(だえん)で囲ったコネクターがありここにAC100Vが接続されていた。ヒューズとNTCと思われる保護部品2個を通してフィルター経由で4個のダイオードで構成されたブリッジ回路で、直列接続の電解コンデンサーを充電し、AC100Vが整流されていた。
図2の右側中央の赤四角で示した電解コンデンサーの2個だ。トランジスターも直列接続されており、ハーフブリッジ回路にほぼ間違いない。電源の回路構成の見当がほぼついた。「これで準備完了」と修理に着手することにしたが、この判断が後々後悔することになる。このとき、基板に表示された番号をWebで確認してさえすれば……。
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