ユニバーサルカウンターの利用事例や校正:ユニバーサルカウンターの基礎知識(3)(1/4 ページ)
ユニバーサルカウンターについて解説する第3回。最終回となる今回は、「ユニバーサルカウンターの利用事例」「ユニバーサルカウンターの校正」について説明する。
本記事は、計測器専門の情報サイト「TechEyesOnline」から転載しています。
ユニバーサルカウンターの利用
ユニバーサルカウンターは、主に周波数を測定する無線通信分野からさまざまな時間パラメータの測定を行うセンサー分野、メカトロ二クス分野、教育分野などまで幅広い分野で利用されている。
ここでは代表的なユニバーサルカウンターの利用事例を紹介する。
VCOの制御電圧‐周波数特性の評価
VCO(電圧制御発振器)やVCXO(電圧制御水晶発振器)はPLL(Phase Locked Loop)回路に使われる重要な部品で、入力電圧を変化させることによって発振周波数が変化する。
制御特性を評価する場合は外部からのノイズの影響を少なくしなければならないので、VCO回路を駆動する電源と制御電圧源には低ノイズ直流電源が使われる。発振出力の制御電圧‐周波数特性は下記のような仕組みで測定される。
なお、VCO発振出力に負荷特性の影響がある場合は、アクティブプローブを介してユニバーサルカウンターに信号を接続する。
ロータリーエンコーダーの評価
ロータリーエンコーダーは、機械装置に取り付けられる回転センサーや回転式の操作つまみなどに使われる。ロータリーエンコーダーの評価は、軸を回転させて得られる位相が90度異なるA相とB相の信号が正しく出力されるかを測定する。
ロータリーエンコーダーのA相とB相の位相差評価は下記に示すような仕組みで行う。
温湿度センサー回路の評価
温度や湿度を測定する方法は多くあるが、家庭にある電子体温計や温湿度計などの多くは、サーミスター温度センサーや抵抗変化型湿度センサーを使って測定した結果を周波数に変化して出力する仕組みとなっている。
ここでは指定した温度や湿度に設定できる恒温槽を使った温湿度センサー回路を評価する仕組みを示す。精度の高い評価を行う場合は、センサーの周辺の温度や湿度を一定にする仕組みを作ったうえで、基準となる高精度な温度計や湿度計を用いて正確な温度や湿度を測定し、評価する温湿度センサー回路との比較を行う。
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