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【徹底解説】バスマトリクスとはハイレベルマイコン講座【バスマトリクス編】(4/4 ページ)

すでにマイコンを使い込まれている上級者向けの技術解説の連載「ハイレベルマイコン講座」。今回は、2017年03月22日公開の「Q&Aで学ぶマイコン講座(36):ハーバードアーキテクチャって何?」で言及されている「バスマトリクス」に着目し、詳しく解説していく。

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複数のバスマトリクス

 バスを1つのバスマトリクスにまとめるのではなく、複数のバスマトリクスを設けてデータ転送の向上を図る場合もある。図6は、STの「STM32H7シリーズ」のバスマトリクである。「64ビットAXIバスマトリクスD1ドメイン」「32ビットAHBバスマトリクスD2ドメイン」および「32ビットAHBバスマトリクスD3ドメイン」の3つで構成される。それぞれのバスマトリクスは独立して動作するが、各バスマトリクス間におけるデータのやりとりも可能だ。これをSTでは、バス間のブリッジと呼んでいる。


図6:複数のバスマトリクス[クリックで拡大]
STM32H7シリーズリファレンス マニュアルRM0433 図1から抜粋

 Arm Cortex-M7がAXIとAHBのバスマスターの機能を持っているため、それぞれのバスマスターの機能で2つのバスマトリクスを独立して構成し、さらに補助的な32ビットのバスマトリクスを付加して、総合的にデータ転送効率の向上を図った方式だ。

 バスマトリクスは、データの転送効率を最適化すれば、どのような構成にしてもかまわず、さらに主従関係を持たせても構わない。

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