eモビリティ向け車載用マイクロコントローラー:STマイクロ Stellar P6シリーズ
STマイクロエレクトロニクスは、車載用マイクロコントローラー「Stellar P6」シリーズを発表した。新しい車載通信規格「CAN-XL」を採用し、2024年モデルの自動車向け認定取得に対応した。
STマイクロエレクトロニクスは2022年9月、車載用マイクロコントローラー「Stellar P6」シリーズを発表した。リアルタイム性能と電力効率に優れ、モーション制御、パワーマネジメント機能、アクチュエーター機能を統合した。次世代EVのeドライブトレインや、Over-The-Air(OTA)ソフトウェアアップデート対応のドメインシステムに適する。2024年モデル車向けに、サンプルを出荷している。
最大6個のArm Cortex-R52コアを搭載
28nm FD-SOI技術を採用し、最大6個の「Arm Cortex-R52」コアを搭載する。フェイルセーフの冗長性を確保するため、一部のコアはロックステップモード、その他はスプリットロックモードで動作する。
内蔵の不揮発性相変化メモリ(PCM)は最大20Mバイトで、車載レベルの高温動作、耐放射線性、データ保持性能を提供する。OTAソフトウェアアップデート時のダウンタイムが発生せず、動的にメモリを割り当てられる。残りのメモリを使い、アプリケーションを実行することも可能だ。
独自のアーキテクチャとハードウェアベースの仮想化機能により、複数のソフトウェア統合を簡素化する。自動車用機能安全規格「ISO 26262」の安全性レベルASIL-Dに対応し、セキュリティレベルは最も高い「EVITA Full」規格を満たす。新しい車載通信規格「CAN-XL」を採用し、2024年モデルの自動車向け認定取得に対応した。
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