連載
直流/交流の電流測定、周波数測定と仕様の見方:初めて使うデジタルマルチメーター(3)(2/9 ページ)
デジタルマルチメーターの基礎的な使い方について解説する本連載。今回は直流/交流の電流測定および周波数測定と仕様の見方について説明する。
直流電流を測定するためのデジタルマルチメーターの操作
34461Aにおいて直流電流を測定するための設定項目は、下図のように構成されている。
今回の記事では、よく使われる3Aレンジ以下の直流電流測定での34461Aの操作手順を説明する。
34461Aでの3Aレンジ以下の直流電流測定の操作手順
34461Aのパネルにある「SHIFT」キーを押してから青字で書かれた「DCI」キー(「DCV」キーと同じ)を押して、直流電流測定の設定画面を表示させる。
電流入力端子を選択する「Terminals」キーから「3A」端子を選ぶ。3A入力端子を選択した場合の「Range」設定は、「Auto」であれば測定レンジを気にすることなく測定できる。測定スピードを速くしたい場合やレンジ間誤差を無くしたいときは、固定レンジを選択する。その他の設定の考え方は直流電圧測定と同じである。
10A入力端子を選択した場合には、直流電流レンジは10Aレンジのみとなる。
電流入力端子に実装されている保護用ヒューズの断線を防ぐ
直流および交流の電流測定で最も注意しなければならないのは、電流測定端子にテストリードを接続した状態で誤って出力抵抗が低い電圧源を測定することである。電流入力端子は入力抵抗が低いため、電圧源から大電流が流れてデジタルマルチメーターを破損させる危険がある。本体の破損を防ぐために、デジタルマルチメーターには保護用ヒューズが内蔵されている。34461Aの3A入力端子には2種類のヒューズが実装され、10Aには1種類のヒューズが実装されている。
誤操作によってヒューズが断線したときは、取扱説明書に記載されているヒューズに取り換える。
外部から交換可能な電流保護ヒューズ | 本体内部にある電流保護ヒューズ | |
---|---|---|
保護対象端子 | 3Aの電流入力端子 | 10Aと3Aの電流入力端子 |
交換作業 | ユーザーが可能 | 有資格のサービスマン |
キーサイトの部品番号 | 2110-1547 | 2110-1402 |
ヒューズの仕様 | 3.15A、500VAC/400VDC、時間遅延 | 11A、1,000V、高速作動 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.