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仮想COMポート(Virtual COM Port)の使い方Q&Aで学ぶマイコン講座(78)(2/4 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初心者の方からよく質問される「仮想COMポート(Virtual COM Port)」についてです。

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 ここでは、STのSTM32 Nucleoボードに実装されている仮想COMポート機能を例にして説明します。STM32 Nucleoボードを使わない場合でも、仮想COMポート用のUSB-シリアル変換ICが市販されているので、比較的簡単に仮想COMポートを使えます。

仮想COMポートの使用環境

 STM32 Nucleoボードには、ST独自のJTAGツール「ST-Link」が付属しています。ST-LinkはJTAGツールの機能に加えて仮想COMポート機能が搭載されており、シリアルポートを使ってPCと通信できます。

 STM32 Nucleoボードに搭載されたSTM32マイコンのUSART2モジュールが仮想COMポートに割り当てられているため、USART2の通信仕様(速度、データのビット数、パリティの有無など)をPC側と合わせることで通信が可能になります。PC側の通信ソフトは、Windows向けのターミナルソフト「Tera Term」や「Hyper Terminal」が使えます。

 組み込みシステムなどで使われるUARTは、多くの場合UART同士の通信となり、PCと通信することはまれです。マイコンの内部データを確認する場合も、統合開発ツールを使えば簡単に知ることができます。そのため、通常の組み込みシステムに仮想COMポートは必要ありません。しかし、製品に組み込んだ後に、統合開発ツールがつなげられなくなった状態でマイコンの内部状態を知りたい場合や、統合開発ツールを使うまでもないような簡単なデータ確認には、仮想COMポートは便利な機能です。

 仮想COMポートを使うためには、マイコンのプログラム内に仮想COMポート用のプログラムを入れておく必要があります。マイコンのプログラムを作る際、統合開発ツールを使って仮想COMポート用のプログラムを入れておき、必要に応じてそのプログラムを起動できる仕組みを入れておきます(図2

<strong>図2:仮想COMポートの使用環境(Tera Termの場合)</strong>[クリックで拡大]
図2:仮想COMポートの使用環境(Tera Termの場合)[クリックで拡大]

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