最大1.35TOPSの演算処理が可能なマイクロプロセッサ:STマイクロ STM32MP2
STマイクロエレクトロニクスは、マイクロプロセッサ「STM32」の第2世代となる「STM32MP2」シリーズを発表した。専用のニューラルプロセッシングユニットを備え、最大1.35TOPSの演算処理が可能だ。
STマイクロエレクトロニクスは2023年5月、同社のSTM32ファミリの汎用32ビットマイクロプロセッサ(MPU)の第2世代となる「STM32MP2」シリーズを発表した。主要顧客向けにサンプルを提供中で、量産開始は2024年上半期を予定している。
最大1.35TOPSの演算処理が可能
同シリーズは、1.5GHzで動作する64ビットのArm Cortex-A35コア、最大動作周波数400MHzのリアルタイム処理向けCortex-M33コアを内蔵している。専用のニューラルプロセッシングユニットを備えていて、最大1.35TOPS(1兆3500億回/秒)の演算処理が可能だ。
ギガビットのTSN(Time-Sensitive Networking)に対応し、2ポートのGビットイーサネットTSNスイッチ、USB 3.0、PCIe、CAN-FDペリフェラルを内蔵した。他に、1080p解像度のGPUを搭載したほか、Androidアプリケーション向けのリアルタイムグラフィックスAPI「Vulkan」にも対応している。
Arm TrustZoneやリソース分離フレームワークなどのセキュリティ機能を備え、SESIPレベル3認証に対応する。また、セキュアブート、OTPメモリに記録した個体識別ID、ハードウェア暗号化エンジン、On-The-FlyによるDDR暗号化および複合化などの機能も搭載する。
動作温度範囲は−40〜+125℃。パッケージオプションとして、0.8mmピッチのTFBGAを選択できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ASIL B対応、車載向けMEMS慣性モジュール
STマイクロエレクトロニクスは、車載向けMEMS慣性モジュール「ASM330LHB」を発表した。車載用に設計した3軸デジタル加速度センサーや、3軸デジタルジャイロセンサーを搭載している。 - GaNパワートランジスタ搭載コンバーター、STマイクロ
STマイクロエレクトロニクスは、GaN(窒化ガリウム)パワートランジスタを用いたコンバーター「VIPerGaN65」「VIPerGaN100」を発表した。PWMコントローラーも備えていて、標準のオプトカプラを用いた二次側制御が可能となっている。 - Bluetoothワイヤレスモジュール
STマイクロエレクトロニクスは、Bluetoothワイヤレスモジュール「STM32WB1MMC」を発表した。Bluetooth Low Energy 5.3認証をはじめとしたさまざまな無線機器認証を取得している。 - 最大250MHz動作のマイクロコントローラー
STマイクロエレクトロニクスは、汎用32ビットマイクロコントローラー「STM32H5」シリーズを発表した。Arm Cortex-M33を内蔵しており、最大250MHz、375DMIPSで動作する。 - アンテナ整合用のRF集積型受動デバイス
STマイクロエレクトロニクスは、アンテナ整合用のRF集積型受動デバイス9製品を発表した。アンテナインピーダンス整合回路やバラン、高調波フィルター回路を1チップに集積している。