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GaN用ゲートドライバーIC、ナノ秒級でゲート駆動:ローム BD2311NVX-LB
ロームは、GaN(窒化ガリウム)デバイス向けのゲートドライバーIC「BD2311NVX-LB」を発表した。最小ゲート入力パルス幅は1.25ナノ秒で、GaNデバイスの高速スイッチングに対応する。
ロームは2023年9月、GaN(窒化ガリウム)デバイス向けのゲートドライバーIC「BD2311NVX-LB」を発表した。同月より量産を開始していて、サンプル価格は1個900円となる。
GaNデバイスの高速スイッチングに対応
最小ゲート入力パルス幅は1.25ナノ秒で、GaNデバイスの高速スイッチングに対応する。同社独自の駆動方式を採用し、ゲート入力波形のオーバーシュートを抑える機能も搭載。これにより、過電圧入力によるGaNデバイスの故障を防止する。
テストでは、他のドライバーICに比べて、降圧および昇圧コンバーターの1MHzスイッチング周波数での立ち上がり時間が短いことを確認できた。また、スイッチングノイズが小さかった。
入力側電源電圧は4.5〜5.5V、遅延時間はターンオン時で0.65ナノ秒、ターンオフ時で0.7ナノ秒。−40〜+125℃の温度範囲で動作する。2.0×2.0×0.6mmのSSONパッケージで提供するほか、より小型のWLCSPバージョンの提供も予定している。
主な用途として、産業機器やインフラ監視向けLiDARの駆動回路、データセンターなど向けの48V入力降圧コンバーター回路、ポータブル機器向けワイヤレス給電回路などを見込む。
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