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電解コンデンサーの下にパターンを引いたらこうなるWired, Weird(2/3 ページ)

今回は歯を削ったりする歯科用ハンドピースコントローラーの不具合調査を報告する。

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なぜ電解コンデンサーの液が漏れたのだろうか?

 なぜ電解コンデンサーの液が漏れたのだろうか? それは図3の実装具合を確認することではっきりした。図3の中央にある2つのセメント抵抗と電解コンデンサーが接触してしまっている。そのため、電解コンデンサーが電力抵抗の熱で直接加熱されてしまい、電解液が過熱され内部の圧力が高くなって液漏れが発生したようだ。不具合原因と液漏れコンデンサーが特定できた。図4図5に示す。


図4:基板を上から見た様子(1)[クリックで拡大]

図5:基板を上から見た様子(2)[クリックで拡大]

 図4は基板の上から実装を確認した様子だ。2個の小型電解コンデンサーが電力抵抗2個と接触していた。通電し回転数を上げたら図5の中央に赤マークを付けた電解コンデンサーがかなり熱くなった。この部品が劣化していることがほぼ確定した。

 赤マークを付けた電解コンデンサーを基板から外してみた。図6に示す。


図6:熱くなった電解コンデンサーを外した基板(左)と、電解液を除去した後の基板(右)[クリックで拡大]

 図6左は電解コンデンサーを外したもので基板の表面が黒く焼けてぬれていた。回転数を上げると電解コンデンサーが過熱して漏れた電解液から強烈な臭いが発生していた。図6右は基板の表面を清掃し、外した電解コンデンサーの端子を上にして並べた。写真中央の基板と電解コンデンサーが焼けているのが分かるだろう。焼損部の拡大図を次ページ(図7)に示す。

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