速度ゼロでフルトルク実現、センサーレスのモーター制御用組み込みソフト:STマイクロ STM32 ZeST
STマイクロエレクトロニクスは、同社の「STM32」上で動作する、モーター制御用ソフトウェアアルゴリズム「STM32 ZeST」を発表した。通常のセンサーレスモータードライブでは困難だった、速度ゼロでのフルトルク制御に対応する。
STマイクロエレクトロニクスは2024年1月、同社の32ビットマイクロコントローラー「STM32」上で動作する、モーター制御用ソフトウェアアルゴリズム「STM32 ZeST」を発表した。通常のセンサーレスモータードライブでは困難だった、速度ゼロでのフルトルク制御に対応する。
ゼロ速度から最適なセンサーレス制御が可能
STM32 ZeSTは、あらゆる種類の永久磁石同期型モーター(PMSM)でゼロ速度から最適なセンサーレス制御ができる。新しいHSO(High-Sensitivity Observer、高感度監視)アルゴリズムでシームレスに動作し、ゼロ速度でのモーター制御を可能にした。組み込みソフトウェアのため、STM32マイコンにハードウェアや特別な周辺回路を追加する必要はない。
機器の設計者は、STM32 ZeSTとHSOアルゴリズムを使用し、始動時の高ピーク電流を回避することで、アプリケーションの電力効率を向上できる。ホールセンサーを内蔵したドライブに比べて信頼性を高めつつ、騒音を低減できる。
同社では、STM32 ZeSTおよびHSOアルゴリズムの性能を評価し、迅速な開発スタートに貢献する評価ボードも提供する。
電動工具、洗濯機、空調システム、電動自転車などの機器では、モーターを最大トルクで正しい方向で始動させ、かつ最大負荷で即座に始動させる必要がある。通常のセンサーレスドライブでは、ゼロ速度でロータ位置を決定できないため、物理的な位置センサーの追加や、特定のモーターを使用する必要があった。
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