修理途中で投げ出された電源ユニットを修理(後編):Wired, Weird(1/3 ページ)
PLC電源の修理の続きだ。修理してみたものの出力電圧が中途半端な値で、まだ不具合を抱えている。そこで、メーカーに問い合わせてみたが――。
今回はPLC電源の修理の続きだ。前回は、基板から取り除かれてしまっていたトランジスタを推察し、その相当品を実装することで電源表示灯を点灯させた。しかし、出力電圧が6.2Vと中途半端な電圧だった。そこでPLC電源に名前が記載されているメーカー(A社)にWebサイトの問い合わせ窓口に以下のような依頼を送った。
生産中止品ですがPLC電源(型番:XXX)のマニュアルもしくはカタログを送付お願いします。
すると、メーカーから
資料を特定させていただきたいため、お手数ではございますが、コントローラー本体、CPU形式を本メールに返信でご連絡いただきますよう、よろしくお願いいたします。
との返信があった。
このメーカーの製品なのにおかしいなと思いつつ型名が分かる写真を送ると、メーカーから次の連絡があった。
型番YYYは“B社様”の製品となります。別途のお問合せをいただきますようお願いいたします。
と、伝えた型番とは別の型番を提示され、B社の問い合わせ先も伝えられた。
確かにPLC電源の製造銘板には、伝えた型番とは異なる型番も記載されており、電源ケースには、問い合わせたA社とは別のB社のロゴらしきものが印刷されていた。どうやらこの機器はOEMで製造、販売されていたようだ。
指示されたB社に同じ内容で問い合わせを入れたところ次の回答があった。
お問い合わせをいただきました“モーションコントローラーYYY”のパワーユニットにつきましては生産終了してから20年強を経過しており修理対応も終了しています。御社で当コントローラーをご使用されておられるのでしょうか。差し支えなければ下記ご依頼の目的などお教えくださりたくお願い致します。
そこで以下の回答を送った。取扱説明書の取り寄せは諦めて、この動作で正常なのかを確認を依頼することにした。
電気部品を修理していますので、この電源の用途やユーザーの情報はありません。質問は修理後に緑のLEDが点灯し、出力が6.2Vになりましたので、この電圧で正しいのか確認するために御社(B社)へ問い合わせています。
だが、B社からは詳細は省略するが「情けないことに何も分かりません」という趣旨の回答だけだった。
このB社の回答をコピーし、製造元と思われるA社に再度問い合わせてみると以下の回答があった。
この電源モジュールは、一般販売品ではございませんのでカタログなどはございません。なお、この電源モジュールに6.2V出力はございません。破損していると考えられます。
これだけの回答を得るのに2社に対し計6回も問い合わせが必要だった。しかしこれで6.2Vの電圧が正常でないことははっきりした。また一連のやりとりで「この電源には触れたくない」という感じがひしひしと伝わり、いろいろ訳アリの電源と思われた。
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