64ビット「Arm Cortex-A35コア」を搭載したマイクロプロセッサ:ヘテロジニアスマルチコアCPUを採用
STマイクロエレクトロニクスは、第2世代のマイクロプロセッサ「STM32MP2」シリーズを発表した。同社製品では初という、64ビットArm Cortex-A35コアを搭載した汎用マイクロプロセッサだ。
STマイクロエレクトロニクスは2024年3月、第2世代のSTM32マイクロプロセッサ(MPU)「STM32MP2」シリーズを発表した。同年6月に量産開始を予定している。
STM32MP2は、同社製品としては初めてという、64ビットArm Cortex-A35コアを搭載した汎用マイクロプロセッサだ。最大1.5GHzで動作し、第1世代の「STM32MP1」シリーズに比べ、メイン処理機能が向上している。
ヘテロジニアスマルチコアCPUを採用
STM32MP2は、ヘテロジニアスマルチコアCPUを採用していて、Cortex-A35コアに加え、Cortex-M33コアも搭載している。また、GPUおよびNPU(ニューラルプロセッシングユニット)、VPU(ビジョンプロセッシングユニット)も搭載。AI(人工知能)処理は、プロセッサの負荷状況やアプリケーションの要求に応じてCPU、GPU、NPUで実行でき、性能と電力効率を最適化する。
マルチメディア機能として、最大1080p解像度の3D(3次元) GPUを搭載するほか、パラレルLVDSおよびDSIインタフェースによるフルHDビデオパイプラインなども備えている。イメージシグナルプロセッサを搭載したMIPI CSI-2カメラインタフェースと組み合わせることで、最先端のマシンビジョンアプリケーションのサポートを強化する。
また、2ポートスイッチを備え、強力な産業用インタフェースを搭載。PCIe Gen2、USB 3.0、3つのCAN-FDなどのインタフェースも備えていて、幅広い通信、制御アプリケーションに統合できる。STM32Cube開発エコシステムでサポートしていて、OpenSTLinuxやOpenSTDroid for Androidのサポートを含む開発ツールや、専用のソフトウェアパッケージも含まれている。
主な用途として、産業用コントローラー、マシンビジョンシステム、スキャナー、ウェアラブル医療機器、データアグリゲーター、ネットワークゲートウェイ、スマート家電、産業用、家庭用ロボットなどを見込む。
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