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Bluetooth新機能「Auracast」を旧世代スマホで使う方法とは?アシスタントアプリの開発方法を解説(2/4 ページ)

現在、Bluetooth の最新機能「Auracast ブロードキャスト オーディオ」の普及に向けた動きが加速し、対応するデバイスも続々と開発されています。一方、Auracast非対応の旧世代スマートフォンが市場拡大を妨げています。本稿では、その理由と、解決策となるスタンドアロン型Auracastアシスタントアプリ開発について解説します。

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Auracastブロードキャストを発見/受信するAuracastアシスタント

 イヤフォン、ヘッドフォン、補聴器のUI(ユーザーインタフェース)は一般的にとても限られています。そのため、受信するブロードキャストの選択には、より充実したインタフェースを持つスマホのアプリ、リモコン、スマートウォッチなど他のデバイスを利用するのが最もシンプルな方法です。Auracastアシスタントは、これらのデバイスが使用できるように、Bluetooth LE Audio仕様に規定された一連の手順をまとめたものです。

 図1は、Auracast送信機・受信機・アシスタントの関係図です。ここでは、AuracastアシスタントとAuracast受信機は、5台のAuracast送信機の通信範囲内にあります。図1でAuracastアシスタントの役割を果たしているのがスマホで、受信できるAuracastブロードキャストを発見して、一覧で表示します。ユーザーがどれか1つのブロードキャストを選ぶと、Auracastアシスタントはクライアントとして、受信機に対し選択された送信機からのブロードキャストストリームに同期することを指示し、同期とともにオーディオが再生されます。

【図1】Auracastの基本的なトポロジー
図1:Auracastの基本的なトポロジー[クリックで拡大] 出所:Bluetooth SIG

 この場合、オーディオはスマホを一切経由しません。送信機からのブロードキャストは受信機が直接受信し、イヤフォン、補聴器、スピーカーなど対になっている受信機の場合には、それぞれが適切なストリーム(左または右)を受信します。このようなトポロジーでは、Auracastアシスタントの種類やブランドがオーディオストリームに影響することはありません。

 ブロードキャスト中のAuracast送信機を全て発見するには、「スキャン」というプロセスを使用します。このプロセスでは、送信機のオーディオブロードキャストに関する情報が含まれるアドバタイズをBluetoothデバイスが探します。

 図1ではスマホがスキャンを行っていますが、情報をスキャンするにはBluetoothコア仕様5.2で追加されたコア機能を含むBluetoothチップと認証済みのBluetooth LE Audioスタックが必要になります。これが、「非対応の旧世代スマホではAuracastが利用できない」理由です。

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