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電源ICで構成する電源回路、設計のポイントは?Q&Aで学ぶマイコン講座(100)(4/6 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初心〜中級者の方からよく質問される「電源ICで構成する電源回路」についてです。連載第15回の「マイコン周辺部品の選び方――電源編」の続編です。

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インダクター(コイル)

1.インダクターの役割

 インダクターには、電源IC側から電流が供給される時間と、供給されない時間が交互に繰り返されます。電源ICから電流が供給される時間は負荷側に電流を供給するのと同時に、インダクターに磁気エネルギーを蓄積します。電源IC側から供給されない時間はインダクターに蓄積された磁気エネルギーで負荷側に電流を供給します。

 また、コンデンサーと共に電源ICから出力される矩形波出力を平滑して直流化する(LCのローパスフィルターの)役割もあります(図5参照)

<strong>図5:インダクター</strong>
図5:インダクター[クリックで拡大]

2.インダクター値

 電源ICを使用した電源回路のインダクター値(以降、L値)は次の式から求められます。

 ただし、適正なL値は、電源ICのデータシートに記載されているので、メーカー推奨のリファレンス回路を参考に選定します。

3.直流重畳特性

 インダクターに流れる電流が大きくなると、磁気飽和が発生しL値は減少します。これを「直流重畳特性」と呼びます。データシートに記載されているL値は直流重畳電流が0Aの時の値です。

 ある一定のL値の低下が起きる電流値を直流重畳定格電流(以下、Isat)と規定します。インダクターのピーク電流はIsatを超えないようにする必要があります。

 一般的にIsatは、L値が20〜30%に低下する電流値を指します。具体的な数値はメーカー、インダクターの種類によって異なりますので、各インダクターのデータシートを確認します。

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