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反転形DC/DCコンバーターの設計(2)部品の定格たった2つの式で始めるDC/DCコンバーターの設計(16)(4/5 ページ)

今回は反転形コンバーターに使用する部品の定格の要点について説明、検討していきます。

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ダイオード(D1)

VR:カソード(K)〜アノード(A)間に連続的に印加できる最大の逆方向の電圧です。
 ショットキーダイオードなどではVRが温度によって変動する製品もあるのでカタログを確認してください。

 FET(M1)がターンオンするとダイオードD1のアノードは出力電圧−Voに、他方のカソードはVccに固定され、D1のA-K間には(Vo+Vcc)の電圧が印加されます。しかし、この値はFETの場合と同じく理論値です。実際にはFETの場合と同じく各素子やパターンの寄生成分によってVo程度のスパイク(リンギング)電圧が上乗された電圧がダイオードのA-K間に印加されます。ディレーティングを80%とすればVR定格として1.2/0.8=1.5倍の値を考えればよいでしょう。

14式

trr:ダイオードの電流が反転した時の逆方向回復(リカバリー)時間です。ダイオードのタイプはVRが許せばショットキー形(SBD)とし、そうでない場合は高速形(FRD)とします。この時間中はダイオードに電圧と電流が共存しますので値が大きいと損失やノイズの発生量が多くなります。
 trrの選択の考え方は他のDC/DCコンバーターと同じで、同じtrrならばリカバリー電流波形のピーク値が低い部品を選んでください。

図4
図4:ダイオード電流波形の定義

IF:順方向の平均電流です。
 当然、この値はDC/DCコンバーターの出力電流Ioよりも大きくなければなりません。目安として連続定格電流Ioの4倍以上の定格品を選定します。チップが2個組み込まれたツインダイオードの場合は仕様書を確認して合算値で判定します。AVE表示の場合は通電率を規定した断続波の平均電流です。
 損失はダイオードの通電率δDによって図5に示すように変化します。一方、X軸の平均出力電流Ioは回路の安定化制御が機能していればδによって変わりません。ですから同じ出力電流であっても小δ(高入力)ほど損失は増加します。

図5
図5:IF〜損失(PF)曲線例

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