STとQualcommが開発 STM32に統合できるBluetooth/Wi-Fiコンボモジュール:IoT製品の開発を加速
STマイクロエレクトロニクスは、Wi-Fi 6とBluetooth Low Energy 5.4に対応した無線通信モジュール「ST67W611M1」を開発した。
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は2025年6月、Wi-Fi 6およびBluetooth Low Energy 5.4対応無線通信モジュール「ST67W611M1」の量産開始を発表した。大量購入時の参考単価は約6.66米ドル(約965円)だ。
同製品は、STがQualcomm Technologies(以下、Qualcomm)と共同で開発したもの。STのマイコン製品群「STM32」やソフトウェア、開発ツールとQualcommのワイヤレス通信技術を組み合わせていて、STM32搭載システムに無線通信機能を容易に追加できる。これによってIoT製品の迅速な開発に寄与する。
また、Qualcommのマルチプロトコルネットワークコプロセッサや2.4GHz無線を備える。他に、パワーアンプやRFスイッチ、内蔵PCBアンテナなどのフロントエンドを統合した。Wi-Fi 6やBluetooth 5.4に加えて、ソフトウェアアップデートによるThreadおよびMatterへの対応も予定している。
既に市場投入も
既にSiana Systemsが同製品を採用している。製品のWi-Fi搭載が容易になったので、追加設計作業の低減による迅速な市場投入が可能になったという。
セキュリティ面では、暗号化アクセラレーターやセキュアブート、セキュアデバッグ機能を備えた。「PSA Certified」レベル1を取得していて、今後適用されるサイバーレジリエンス法やRED指令にも容易に対応できる。
パッケージは32ピンのLGAで提供する。2層基板を用いた設計が可能だ。評価用途に向けて、拡張ボード「X-NUCLEO-67W61M1」やリファレンス設計「STDES-ST67W61BU-U5」も併せて提供する。
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