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150℃の高温に対応する車載パワーインダクター、太陽誘電:独自開発の高温対応材料を使用
太陽誘電は、車載用電子部品規格「AEC-Q200」に対応した、巻線フェライト系パワーインダクター「LCXN_T」シリーズを発表した。高温対応材料を採用し、最大150℃の温度で使用できる。
太陽誘電は2025年9月、車載用電子部品規格「AEC-Q200」に対応した、巻線フェライト系パワーインダクター「LCXN_T」シリーズを発表した。サンプル価格は1個当たり50円だ。
3.0mm角と4.0mm角で合計15アイテムを商品化
同シリーズは、3.0mm角の「LCXND3030」系と4.0mm角の「LCXND4040」系の合計15種類をそろえる。スリーブレス構造を用いた同社の「LCXN」シリーズに、独自開発の高温対応材料を採用。これにより、使用温度範囲の上限が従来の125℃から150℃に向上した。
主な用途として、自動車のDC-DCコンバーターのチョークコイル、ノイズフィルターなどを見込む。海外製造子会社の太陽誘電(フィリピン)で、同年7月から量産を開始している。太陽誘電は今後も、パワーインダクターのラインアップ拡充を進める方針だ。
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