修理事例が示す安全部品の落とし穴――AC24V電源に潜むリスク:Wired, Weird(1/3 ページ)
半導体装置に使用される機器の安全部品ではAC24V電源が用いられてきたが、修理現場では電解コンデンサーの劣化に起因する不具合が目立っている。今回は、複数の修理事例を基に、その要因を整理し、安全回路における電源電圧の在り方を再考する。
修理依頼が増加、半導体製造装置用の安全部品
半導体関連の仕事を始めたのは40年前になる。当時は半導体製造装置のインターロック回路の電圧はAC24Vが使用されていた。しかし、AC24Vのセンサーやリレーでは整流回路に寿命部品の電解コンデンサーが必要になり、部品点数も増えて故障率が高くなる。筆者はなぜAC24Vを使うのか不思議に思い、当時に設計した装置のインターロック回路の電源にはDC24Vを採用した。
現在、筆者は16年程度だが修理業務に従事し、半導体の装置に使用される機器の安全部品の修理も行っている。そして、最近はAC24V仕様の安全部品の動作不良の修理依頼が増加していることに気が付いた。今回は安全部品の修理を報告する。まず減圧装置に実装されていた温度センサーを図1に示す。
図1左に、中央の茶色の温度センサーが実装されていた。右はこれを分解して修理した基板だ。この温度センサーはドイツ製で、安全認証を得ているものだった。このセンサーは、AC24V電源を入力し、内部で整流して電解コンデンサーによってDC24V電圧を生成。ポンプの温度を熱電対とオペアンプで監視し、リレーを駆動して接点経由で外部に温度異常の信号を出す構成となっていた。内部には電解コンデンサーが2個使用されていて、約20年の稼働によって電解コンデンサーの容量はほぼ失われていた。修理時にこれら2個の電解コンデンサーを交換したところ、正常に動作した。リレーの接触抵抗が劣化している部品もあり、その場合はリレーを別部品に交換した。
次は安全部品のAC24V入力のタイマーリレーだ。図2に示す。
図2左は、タイマーから制御基板を取り出した状態を示している。右はリレーも取り出した様子だ。内部には制御回路とリレーが実装されていた。基板には2個の電解コンデンサーが確認できる。このタイマーにDC24Vを印加したところ正常に動作したが、AC24Vでは動作不良となった。このことから電解コンデンサーを交換すれば、正常に動作すると推察された。2個の電解コンデンサーを交換したところ、AC24Vで正常に動作した。
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