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なぜUSB規格は難しい? 歴史から読み解く種類やコネクターの違い必須技術を基礎から解説(2/5 ページ)

今回はUSB規格の歴史や種類、機能、組み込み開発における基礎知識などを解説します。

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リョーサン菱洋ホールディングス株式会社

3. USBケーブル&コネクターの種類と使い分け

 USBコネクターの形状はUSB規格で規定されており、USBポート1つで周辺機器とのデータ転送と電源供給が可能です。USBは下位互換性に対応するため、コネクター形状が合えば接続が可能です。また、データ転送は下位規格に速度を合わせて行います。

 コネクター形状としてはSeries “A”、 Series “B”、Type-Cで定義され、 Series “B”のサイズとしてStandard以外にMini、Microサイズがあります(Series “A”もMiniとMicroや、OTG対応するためのMini-ABとMicro-ABが規格されていましたが、Type-Cの登場により置き換えられつつあるため省略します)

USBケーブルとコネクター形状
USBケーブルとコネクター形状

※OTG(On-The-Go)とはPCを介せず電子機器同士接続するためにUSB 2.0以降に追加された仕様です。主に
 スマートフォンやタブレット、デジカメに使われていますが、組み込み機器への利用のニーズが高まっています。

USB Series “A”

 Series “A”(Standard-A)はUSBが規格された当初から使用されているPC側(ホスト側)のコネクターで、マウスやキーボード、オーディオ、ストレージ、プリンタなどの周辺機器を接続するのに用いられることが多いです。コネクター内部の樹脂部分は白色、または黒色に色分けされることが多いです。

 USB 3.0に規格化されたとき、SS(SuperSpeed)に対応するためSS信号線が追加されました。主にUSBメモリやSSD、HDDなど高速通信を求めるストレージのデータ転送に利用されています。コネクターの機構が変更されていますが、下位互換に対応するために形状は同じようになっています。代わりに旧来品との区別のため、コネクター内部の樹脂部分が青色になっています。USB 3.0はUSB 3.1 Gen1やUSB 3.2 Gen1と表記されることもあります。

USB Series “B”

 Series “B”はPCの周辺機器側(ペリフェラル・デバイス側)のコネクターで、オーディオやストレージ、プリンタに用いられることが多いです。Series “B”はStandard-B(主にプリンタや据え置きHDDなどに利用)、Mini-B(主にゲームコントローラーや小型周辺機器などに利用)、さらにMicro-B(主にスマートフォンやタブレットなどに利用)が存在しています。

 Standard-BはUSB 3.0に対応するため端子上部のコネクター機構・形状が変更されています。Micro-BはUSB 3.0に対応するためコネクター横を延長したような形状になっています(延長部との間に窪みがあります)。ちなみにMini-BはUSB 3.0対応しませんでした。

USB Type-C

 Type-Cは最新規格で、上下対称でどちら向きでも挿せるようになっています。ホスト側もペリフェラル・デバイス側も利用できるようになっており、最新のスマホ(iPhone 15以降、Android 12以降)、タブレット、ノートPC、モニターなど、多様な製品で採用が進んでいます。コンパクトでケーブルの向きや方向を考えることなく接続できることからユーザビリティが向上しました。

 ただし、コネクターの形状が同じでも用途に応じてUSB 2.0 HS対応からUSB 3.2/4対応の高速データ転送タイプ、USB PD非対応からUSB PD SPR(60W/100W)/EPR対応タイプ、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力対応タイプ、Thunderbolt対応タイプとさまざまな種類のケーブルがあります。

 ちなみにUSB Type-Cケーブルは両端のプラグがType-Cのものもあれば、片方がStandard-Aのものも存在しています。片方がStandard-Aの場合、通信規格はUSB 3.2 Gen 2x1(10Gbps)までにとどまり、USB PDは使用できません。

 両端Type-CでSS信号対応したUSB Type-Cケーブルは「Full Featured」といい、いろいろな規格対応ケーブルが存在しています。使用目的に応じて適正なケーブルの選定が必要になります。なおUSB Type-CはUSB 3.1と同時期に発表されたため、厳密にはUSB 3.0 USB Type-Cケーブルは規定されていません。

 またUSB 3.2より「2レーン」が追加され、20Gbpsの「Gen 2x2」として規格されました。それによってUSB 3.1規格時の呼び名が変更されました。Thunderbolt 3以降もUSB Type-Cを使うようになり、アクティブ(信号の増幅・補正機能内蔵)対応の場合0.8m以上、Thunderbolt 4は最長2mまで対応可能です。

 一方、USB PDを利用する場合はUSB PD規格準拠ケーブルとして3A対応(SPRで最大3A×20V=60W)と5A対応(SPRで最大5A×20V=100W 、EPRで最大5A×48V=240W)の3種類があります。信頼性と安全性を保つため5A対応ケーブルはeMarkerと呼ばれる認証が必須となっています。

 Full Featured USB Type-Cケーブルは全てが5A対応とは限らず、USB信号線がない(CC信号線あり)充電専用のケーブル、USB 2.0通信対応充電専用のケーブルも存在しています。また、USB PD対応してないUSB Type-Cケーブルは一般的に最大3Aまでの電流しか流せません。

各規格のUSB Type-Cケーブルの最大転送速度とケーブル長
各規格のUSB Type-Cケーブルの最大転送速度とケーブル長

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