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プロセスエンジニアが「何でも屋」と呼ばれる理由――工場設備の視点で解き明かすプロセスエンジニアの現場から(3) 半導体プロセスエンジニアの仕事内容(2)(1/2 ページ)

「何でも屋」と呼ばれる半導体プロセスエンジニア。今回は、その理由を「半導体工場を支えるインフラおよびユーティリティー」の視点で解説していきます。

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 「半導体プロセスエンジニアの仕事内容(1)|現場の一日と仕事のリアル」では、プロセスエンジニアの仕事内容を解説しました。「何でも屋」と呼ばれる理由や1日の流れ、現場で起こる3大トラブルへの対応を取り上げています。

 今回は、半導体工場を支えるインフラ・ユーティリティーの視点から「なぜプロセスエンジニアは何でも屋と呼ばれるのか」を掘り下げます。前編では、インフラ側の異常が工程トラブルとしてどのように現れるのか、原因を見極める際の考え方まで紹介します。後編では、設備担当や装置メーカーなどとの連携や、災害・非常時における対応を取り上げます。

 プロセスエンジニアは、工程だけを見ている仕事ではありません。工場全体を俯瞰しながら、必要な専門家を巻き込んで解決策を導く役割です。その実態を、具体的にイメージしていただければと思います。

半導体工場を支えるインフラ・ユーティリティー

 半導体の製造工程は、装置単体だけで成り立っているわけではありません。本章では、工程の裏側で品質と安定稼働を支えているインフラ・ユーティリティーの全体像を紹介します。

超純水・薬液・特殊ガスの供給:洗浄やエッチングなど工程の品質に影響

 半導体工場では、超純水や薬液、特殊ガスの供給状態が洗浄やエッチングといった工程の品質に影響します。ここでいう超純水とは、不純物を極めて高いレベルまで除去した水のことです。

 装置はこれらが安定して供給されて初めて、本来の性能を発揮できます。そのため、装置の設定条件が変わっていなくても、供給側の状態次第で工程の結果が変わってしまう場合があります。

 工程によって、影響を受ける供給要素は異なります。代表的な工程と、それぞれで影響する供給要素をまとめると、以下の通りです。

工程 影響する主な供給要素
洗浄 薬液・超純水の品質、濃度、温度、流量など
成膜(CVD等)・ドライエッチング プロセスガスの品質、流量、圧力など
ウェットエッチング 薬液の品質、濃度、温度など

 装置側の設定が同じでも、供給条件に変化があれば、工程結果に影響が現れる可能性があります。だからこそプロセスエンジニアには、工程条件だけでなく、こうした供給インフラの状態にも目を配る姿勢が求められます。

空調(クリーンルームの温湿度・清浄度管理):歩留まりに影響

 クリーンルームの空調は、室温を管理するだけの設備ではありません。歩留まり(製造した製品のうち、良品として使える割合)に影響する重要な要素です。

 クリーンルーム環境で特に管理が重要な項目として、次の2つが挙げられます。

  • 温湿度・清浄度(パーティクル管理):半導体の回路パターンは非常に微細なため、パーティクルの付着や温湿度のわずかな変動が歩留まりに影響する場合がある
  • AMC(Airborne Molecular Contamination:空気中分子状汚染物質):目に見えない分子レベルの汚染物質で、種類や濃度によってはウエハー表面や製造プロセスに影響を与える

 このため、空調によるクリーンルームでは温湿度・清浄度に加え、工程によってはAMCの管理も重要になります。特に微細化が進んだプロセスほど、管理の厳しさが求められる傾向があります。例えば工程で異常が発生し、装置や薬液に問題が見当たらない場合は、クリーンルームの環境条件そのものを疑う必要があります。

 このように、工程条件だけを見ていては気付けない異常が、インフラ側に潜んでいる場合があります。次の章では、このインフラ側に潜むリスクが「何でも屋」と呼ばれる理由にどうつながるのかを見ていきます。

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