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共振フォワード型コンバータの魅力を探る(2/3 ページ)

米国の外部電源規格であるENERGY STAR Ver.2への対応は、多くの機器メーカーにとって大きなハードルとなり得る。一方、同規格に定められた効率を容易に満たすことが可能な方式に、共振フォワード型コンバータがある。本稿では、コードレス電話機用のACアダプタの設計を例にとり、同コンバータによって得られるメリットについて説明する。

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共振フォワード方式の仕組み

 RDFCの回路は、主に、フォワードモードトランス、共振コンデンサCres、1次側スイッチから構成される(図1)。RDFCでは比較的低速でスイッチング動作が行われ、一般的に使用されるMOSFETよりも安価で耐圧の高いバイポーラトランジスタを使用することができる。入力コンデンサCinはトランスと1次側スイッチに接続され、整流されたACラインからの入力電圧を平滑化する。1次側スイッチが閉じると、電力エネルギーはこの伝導フェーズの間にトランスの1次側から2次側へと移動する。1次側の電圧とトランスの1次側/2次側の巻き線比により、2次側に発生する電圧が決定する。


図1 共振フォワード型コンバータの概念図
図1 共振フォワード型コンバータの概念図 

 1次側スイッチがオフのとき、トランスからの電流は、トランスの巻き線容量と1次側トランジスタの出力容量を含む共振コンデンサCresへと向かう。この共振コンデンサCresの静電容量と、トランスの磁化インダクタンスLmag、トランスの漏れインダクタンスLleakによって共振回路が形成される。共振周波数は、1/2π√Lmag×Cresと1/2π√Lleak×Cresの2つの式を使って計算することができるが、漏れインダクタンスは磁化インダクタンスよりもかなり小さい。通常は、1次側インダクタンスにより、共振周波数(スイッチング周波数)を30kHzから70kHzの範囲で設定する。

 RDFCがさまざまな負荷条件に対して最適なパフォーマンスレベルで動作するためには、以下に挙げる3つの主要な制御メカニズムが必要となる。

・共振制御:0V付近でのターンオン/ターンオフを確認し、次のスイッチングサイクルにおけるオン時間を確定するために、スイッチ電圧波形を感知する

・電力制御:過負荷時にスイッチ電流を感知して制限する。また、無負荷時の電力損失を最小化するために、オン時間を短くする

・ベース駆動制御:スイッチングによる損失をより少なく抑えるために、伝導損失を減らし、ターンオフ時間を最小化して、最適なコレクタ電圧においてパワートランジスタがオンしている状態を動的に制御する

図2 RDFCの5つの動作モード
図2 RDFCの5つの動作モード RDFCコントローラの動作モードは、あらゆる大きさの負荷に対して効率を最適化し、EMIを最小化するために、完全な共振動作を保証する。

 RDFCは、図2に示す5つの主要なモードで動作する。RDFCコントローラICは、これらのメカニズムを組み合わせて機能する。各動作モードの機能は以下のようなものとなる。

 まず通常モードでは、定格負荷の約20〜100%の範囲において、固定のデューティサイクルで完全な共振スイッチング動作を行う。負荷が約20%を下回ったら、コントローラICはスタンバイモードに動作を移行し、低負荷時/無負荷時の電力消費を最小化するために、共振サイクルをスキップする。負荷が大きくなると過負荷モードに移り、共振動作を維持しつつ、1次側スイッチのピーク電流を制限し、オン時間を短くする。本当に過負荷になった場合には、コントローラICはフォールドバックモードに移行し、1次側スイッチのオン時間を極限まで短くすることによって(オフ時間は長くなる)、出力電圧を定格の10%以下に抑える。コントローラICへの供給電圧を維持するのに十分な電力は供給するが、電源と負荷を過電流や短絡から保護することのできる安全なレベルに持っていく。コントローラICは、自動復帰を試みるために一時的にデューティサイクルを増やしながら、周期的にフォールドバックモードからバーストモードへと移行する。ここで不具合が発生しなければ、通常モードに再び移行する。

 このような動作モードにより、RDFCは、あらゆる大きさの負荷に対して最適な共振動作を維持する。

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