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アナログオシロを再評価Wired, Weird(1/3 ページ)

アナログオシロスコープは、1機種の使い方を覚えれば他機種も同じように扱うことができる。これがデジタルオシロスコープとの違いだ。波形の同期の取り方やX-Y表示などを題材に、使い方を紹介する。

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 最近では、どこの現場でもデジタルオシロスコープが使われることが多くなり、アナログオシロスコープを目にする機会は少なくなった。しかし、デジタルオシロスコープは、その製造元や機種によって扱い方が異なる。このことは、デジタルオシロスコープの欠点となり得る。出先の会社で使うのに、マニュアルを読んでいる暇はないからだ。

 それに対し、アナログオシロスコープなら、どの機種でも扱い方はほぼ同じである。この特徴は捨てがたく、筆者は今でもアナログオシロスコープを好んで使うことがある。今回の話も、アナログオシロスコープを題材として進めることにする。


同期の取り難い波形

写真1 同期の取れていない波形
写真1 同期の取れていない波形 
写真2 周期性が確認できる波形
写真2 周期性が確認できる波形 
写真3 同期の取れた波形
写真3 同期の取れた波形 

 周期性はあるものの、同期の取りにくいタイプの波形が存在する。そのような波形の観測方法を紹介しよう。簡単に言えば、時間軸の「VARIABLE」と「HOLDOFF」でオシロスコープの掃引周期を調整して測定信号の周期と合わせ、波形を止めるというものである。

 実験用の波形として、ビデオデッキやパソコンから出力されるビデオ信号を例にとることにする。本来、ビデオ信号の同期は簡単に取ることができるのだが、ここでは実験のために同期が掛からないようにする。

 まず、掃引周期を安定させるために、電源を入れてからオシロスコープの温度が上がるまでしばらく待つ。そして、同期が掛からないようにフリーランの状態にする。すなわち、オシロスコープの「SWEEP MODE」を「AUTO」にするとともに、トリガーが掛からない位置にトリガーレベルを調整するのだ。あるいは、トリガー入力の選択スイッチである「SOURCE」を「EXT」にしてもよい。

 この状態で、画面に測定波形が10周期分以上入るようにオシロスコープの掃引周期を長目に設定する。初めは同期が取れないため、写真1のような状態になる。このとき、波形の数を多目に表示するようにしているのは、周期性があることを把握しやすくするためだ。初めから数周期しか入らないようにすると、波形を止めるのが難しく、その波形が周期性を持っているのかどうか確認できない。

 HOLDOFFを調整すると、写真2のように周期性のある波形が見えてくる。ここでオシロスコープの掃引周期を短くし、表示される波形が数周期分になるようにする。その上で、再びHOLDOFFを調整する。うまくいかなければ時間軸のVARIABLEも調整してみる。

 波形を静止させるには、微妙な調整が必要になる。常にツマミに触って調整しないと、すぐに波形が流れてしまう。そのようにして得られた結果が写真3である。肉眼ではもっときれいな波形に見えるのだが、常に左右に流れようとするので写真ではブレてしまっている。

 1掃引の分だけ観測したいということであれば、デジタルオシロスコープのメモリー機能が便利だ。しかし、ビデオ信号のように波形が刻々と変化する様子を観測したい場合には、上述したテクニックが役に立つだろう。

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