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アナログオシロを再評価Wired, Weird(2/3 ページ)

アナログオシロスコープは、1機種の使い方を覚えれば他機種も同じように扱うことができる。これがデジタルオシロスコープとの違いだ。波形の同期の取り方やX-Y表示などを題材に、使い方を紹介する。

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X-Y表示

 図1のような回路の周波数特性を観測する際、信号発生器(発振器)からの信号の振幅が周波数によって変化してしまうことがある。周波数を連続で変化させたいとき、入力信号の振幅をチェックするのは大変だ。そのような場合には、オシロスコープのX-Y表示が便利である。入力をX軸、出力をY軸になるようにして、写真4のように表示させるのだ。


図1 増幅度が101倍の非反転増幅回路
図1 増幅度が101倍の非反転増幅回路 
写真4 X-Y表示の例
写真4 X-Y表示の例 
写真5 5kHzでのX-Y表示
写真5 5kHzでのX-Y表示 
図2 移相回路
図2 移相回路 周波数が変化しても振幅は変化せず、位相だけが変化する。
写真6 160HzでのX-Y表示
写真6 160HzでのX-Y表示 
写真7 1.6kHzでのX-Y表示
写真7 1.6kHzでのX-Y表示 
写真8 16kHzでのX-Y表示
写真8 16kHzでのX-Y表示 

 入力信号の振幅が変化すると、線の長さは変わるが、傾きは変化しない。増幅度が変わると、傾きが変化する。実際には、直線のまま傾きが変化することはなく、振幅が変化する前に位相が変化するので、表示結果は楕円になる。

 図1の回路で実験したところ140Hz以上で楕円になり、位相がずれ始めた。その後、Y軸の振幅も小さくなり、5kHzで写真5のようになった。

 X-Y表示で注意が必要なのは、X軸の周波数特性が意外に低いことだ。筆者のオシロスコープの帯域は100MHzなのだが、X-Y表示におけるX軸の帯域は3MHzである。しかも、実際には3MHzまで問題なく使えるというわけではない。X軸、Y軸に同じ信号を入力して試してみると、60kHz以上で楕円になってしまう。つまり、60kHz以下でないと、X-Y表示として使い物にならないということである。

 ここで、X-Y表示の機能をわかりやすく示す例として移相回路を紹介する(図2)。これは周波数が変化しても、振幅は変化せずに位相だけが変化するというものである。低い周波数では反転回路となり、高い周波数では非反転回路となる。

 入力と出力のベクトル図を描くと、周波数の変化に伴いベクトル間の角度が変わる。片方のベクトルを固定して考えれば、周波数の変化に伴いもう片方のベクトルが回転することになる。

 十分に低い周波数で入出力の位相が180度異なると、オシロスコープの画面には左上がりの直線が表示される。周波数を上げて160Hzになると、線が膨らんで写真6のような楕円になる。このときの位相のずれは、180度より小さい。もう少し周波数を上げて1.6kHzになると、位相の差が90度になり写真7のような円になる。さらに周波数を上げると円が右に傾き、16kHzでは写真8のようになる。

 このように、周波数を変化させていくと位相が変化するのが観測できる。

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