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コイルの基本、選択のポイント抵抗/コンデンサ/コイルの基本を学ぶ(4)(2/4 ページ)

コイル(インダクタ)は、簡単に表現すれば線材が巻いてあるだけのものだとも言える。しかし、実際には巻き線の材質や、線径、巻き方、磁性材料、構造によって異なる特徴を持ち、用途に応じたさまざまな製品が用意されている。今回は、まずこのコイルの特性項目とコイルの種類について詳しく説明する。その上で、コイルの代表的な用途と、各用途においてどのようなものを選択すればよいのか、そのポイントを紹介する。

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コイルの種類

 コイルの種類は多く、分類の仕方もいくつも存在する。ここでは、コイルの大分類について説明する。

 最初の大分類は磁気コアの有無によるものである。以下の2種類に分けられる。

  • 空心コイル:巻き線材のみで構成。磁気コアを使用しない
  • 磁心コイル:磁気コアに線材を巻いて構成

 また、磁気コアを用いたコイルには、以下のような分類がある。

  • 開磁型:磁気シールドがなく、磁束が外部に放射される構造
  • 閉磁型:磁気シールドがあり、磁束が外部に放射されない構造

 実装時に、インダクタをいくつか並べて使用する場合には、開磁型では互いの磁束が干渉し合うため、閉磁型の使用が推奨される。

図14 コイルの構造(提供:村田製作所)
図14 コイルの構造(提供:村田製作所)

 インダクタンス(L成分)の生成法としては、以下の2つが挙げられる。

  • 巻線型:線材を巻いてインダクタンスを生成する構造
  • 積層型:線材の代わりに導体パターンを用い、これを重ね合わせ(積層)てインダクタンスを生成する構造

 図14に、村田製作所のウェブサイトに掲載されているコイルの構造図を示しておく。

 実装方法の観点からは、以下の2つに分けることができる。

  • リード型
  • チップ型

 さらに、コイルの種類を用途に応じて分けると、信号系と電源系とに分類することができる。

  • 信号系:電子回路における信号系、あるいは小電力の電源用途で用いる。リード型、チップ(積層)型ともに多くの品種がある。インダクタンスは数十μH〜1mH、その精度は±5〜±10%程度で、定格電流は数百mAくらいのものが多い
  • 電源系:電源回路や大電力の信号回路に用いられるもので、パワーインダクタとも呼ばれる。リード型が主流だが、チップ型でありながら、そこそこの電力に対応している製品も存在する。電源平滑用途では、チョークコイルという固有の分類がなされる製品もある。インダクタンスは数百μH〜数百mH、誤差は±10〜±20%、定格電流は数A〜数10A

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