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28nm世代FPGAの評価キット、ハイエンド品とコストパフォーマンス品向けXilinx 7シリーズFPGA向け評価キット

Xilinxは、従来から、特定のアプリケーション領域のFPGA開発に向けてIPや評価ボード、各種ドーターボード、設計ツールなどを取りそろえて提供するサービスを「ターゲット デザイン プラットフォーム(TDP)」と呼んで提供している。今回発表した評価キット群が28nm世代品向けTDPの第1弾となる。

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 FPGA大手ベンダーのXilinxは2012年1月31日(米国時間)、28nm世代の半導体プロセスで製造する最新FPGA「7シリーズ FPGA」に向けた評価キットを3品種発表した。同社は、既存の40nm/45nm世代のFPGAから、特定のアプリケーション領域のFPGA開発に向けてIPや評価ボード、各種ドーターボード、設計ツールなどを取りそろえて提供するサービスを「ターゲット デザイン プラットフォーム(TDP)」と呼んで提供しており、28nm世代品の7シリーズでもこれを継承すると表明していた。今回発表した評価キット群が、28nm世代品で提供する初めてのTDPとなる。

 3品種の内訳は、28nm世代のうち価格対性能比を重視したファミリ「Kintex-7」用の評価キットが2つ、ハイエンドファミリ「Virtex-7」用の評価キットが1つである。以下、順番に説明しよう。

 「Kintex-7 FPGA KC705 評価キット」は、汎用性の高い評価ボードを中核とした品種だ。この評価ボードは、Kintex-7ファミリのうち集積規模が中程度の品種「K325T」を実装している他、機能拡張用のFMC(FPGA Mezzanine Card)規格のコネクタを備え、PCI ExpressインタフェースとHDMIのビデオ出力も搭載した。さらにこのキットには、「アジャイル ミックスド シグナル(AMS)評価ボード」と呼ぶドーターボードが付属する。7シリーズ FPGAは、A-D変換器やアナログマルチプレクサ、温度センサー、電圧センサーなどのアナログ周辺機能をまとめた回路ブロックを全品種が集積しており、このAMS評価ボードはその評価に使える。具体的には、FPGAのアナログ回路ブロックが処理する信号の入出力用BNCコネクタや、それらの信号の接続先端子を切り替えるジャンパなどをこのAMS評価ボードに搭載した。このキットの価格は1695米ドルで、既に受注を始めている。

Kintex-7 FPGA KC705 評価キット
Kintex-7 FPGA KC705 評価キット 出典:Xilinx

 「Kintex-7 FPGA DSP キット」は、通信アプリケーション領域のデジタル信号処理開発などに向けた品種である。上述の汎用評価ボードに、800Mサンプル/秒動作の16ビットD-A変換器と250Mサンプル/秒動作の14ビットA-D変換器を搭載したFMCモジュールが付属する。このモジュールを使えば、通信アプリケーションのIF(中間周波数)信号を扱える」(日本法人であるザイリンクス)という。さらに、信号処理システムの開発に広く普及しているThe MathWorksのソフトウェアツール「MATLAB/Simulink」の評価版もバンドルした。価格は3995米ドルで、既に受注を始めている。

 「Virtex-7 FPGA VC707 評価キット」は、Virtex-7ファミリのうち集積規模が中程度の品種「V485T」を実装した評価ボードを中核とした品種である。通信機器や放送機器などの分野で、最も高い処理性能と広い入出力帯域幅を求めるアプリケーションの開発に向ける。価格は3495米ドルで、 2012年2月に受注を開始する予定だ。

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