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ハード志向のモノづくり復権へ、新奇な設計手法を提案するWired, Weird(3/3 ページ)

電子システムの設計といえば、かつてはハードが中心だった。設計作業の重点は、回路基板そのものにあった。今ではマイコンやFPGAの活用が進み、すっかりソフト志向になっている。PC上でファームやロジックを設計し、デバッグまで完結する。非常に便利だ。半面、モノづくりの実感を持てる機会が減ってはいないだろうか。

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ハード設計の力を発揮できる環境を

 筆者は既に、発振器とタイマー、ラッチの2端子機能部品を完成させた。チップ部品を使うと、数mm角の小型基板で実現できる。ただしアンプは未完成で、音質を優先に考えるとなかなか良い回路が見いだせない。まだ工夫が必要だ。

 このように、いろいろな仕様に応じて2端子機能部品のバリエーションを増やしていけば、仕様に応じた回路を考え、試作・評価して機能を実現するという、ハードウェア設計の本来の力を発揮できる環境を作り出すことが可能になると考えている。また2端子機能部品を用いることで、出来上がった製品の改良・改善にも良い効果が得られることが分かった。

 図1で写真を示した30秒タイマー回路の接続図も載せておこう(図6)。これも、使用部品はタイマーと発振器の他、抵抗、LEDと、いずれも2端子機能部品である。それだけで、簡単にこのような回路を作ることが可能だ。発振器を外して抵抗とタイマー、スイッチを直結すれば、30秒間だけ点灯し続けるタイマー回路になる。

図6 30秒タイマー回路の構成図
図6 30秒タイマー回路の構成図 図1で写真を示した30秒タイマーは、このように「発振器」と「タイマー」など、全て2端子機能部品で構成している。(クリックで画像を拡大)

 本連載の次回以降に、今回取り上げた2端子機能部品それぞれを詳しく説明していく。冒頭で述べたように、2端子機能部品は電源専用の端子を持たず、負荷から微小な電流を得て動力源とし、特定の動作を実行する小型基板である。こうした特徴を実現するには、2端子機能部そのものの回路に工夫が必要だ。それを解説する。さらに、2端子機能部品を既製品に加えることで改善を図った事例などについても紹介していく予定だ。乞うご期待。

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