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ZigBeeとIEEEの関係――物理層測定とは?ZigBeeで知る物理層測定の基礎(1)(1/2 ページ)

安価で消費電力が少ないことから照明やセキュリティなどのワイヤレスセンサネットワーク構築で注目を集めている「ZigBee」。本連載では、これからZigBeeの物理層評価を始める方向けに、2.4GHz帯の規格および試験の概要、必要な測定器、測定の際のポイントなどを説明していく。

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@IT MONOistで掲載された記事を転載しています



はじめに

 ZigBeeは、主に家電向けの短距離無線通信規格の1つで、低速で伝送距離が短い代わりに、安価で消費電力が少ないという特長があります。通信距離は数十メートル、電池寿命は数カ月から数年にもおよび、センサや照明、セキュリティなどのワイヤレスセンサネットワーク構築において注目を集めています。

 本連載では、これからZigBeeの物理層評価を始める方向けに、2.4GHz帯の規格および試験の概要や、必要な測定器、測定の際のポイントなどを説明していきます。最後まで読めば、評価のためにどんな準備をすればよいかが分かるようになるはずです。

 第1回目の内容は、規格についてです。ZigBeeとIEEE規格の関係、実はあやふやになっていませんか? ここで物理層測定とは何を指しているのか整理しておきましょう。

ZigBee/IEEE802.15.4の違い

 ZigBeeのアーキテクチャモデルは、物理層、MAC層、ネットワーク層、アプリケーション副層、アプリケーション層の5層に分かれています。


図1 ZigBeeのアーキテクチャモデル

 現在のZigBeeでの下位レイヤ(物理層、MAC層)は、IEEE(米国電気電子技術者協会)が標準化した「IEEE802.15.4-2003」を採用しています。ネットワーク層より上位の仕様は、IEEE802.15.4-2003を基にZigBee Allianceが標準化し、まとめてZigBeeとして定義しています。

 ZigBee Allianceは、テクノロジーの普及/推進に取り組む業界団体で、相互運用性テスト、証明テスト、規格の作成を行っています。ZigBee Allianceの認証試験に通った機器はZigBeeロゴが付与され、ほかのZigBee製品との相互接続・互換性・共存性が保障されます。厳密にいうと、このロゴ認証を受けた機器だけが、ZigBee機器と呼ばれることになります。

 ZigBee Allianceで行われる認証試験には、物理層/MAC層のテストは含まれていません。しかし、認証試験を受ける大前提として、IEEE802.15.4-2003に準拠していなければなりません。またその要件を満たしているかどうかは、測定器を使って評価しておく必要があります。

ZigBeeの物理層

 IEEE802.15.4-2003では、868MHz帯、915MHz帯、2.4GHz帯の3つの周波数帯を使用します。868MHzは欧州のみ、915MHz帯は米国のみですが、ISMバンドの2.4GHz帯は全世界で広く使われています。日本では電波法の関係上、2.4GHz帯のみが使われてきましたが、近年の省令改正によって新たに950MHz帯でもZigBeeが使用可能になり、市場の拡大が期待されています。

 本連載では、2.4GHz帯のZigBeeにスポットを当てて説明していきます。まず、IEEE802.15.4-2003に書かれている物理層の仕様を見てみましょう。


図2 IEEE802.15.4-2003 2.4GHz帯の物理層パラメータ

 2.4GHz帯のZigBeeは、2400〜2483.5MHzの間で計16チャネル使用され、各チャネルの中心周波数は5MHz間隔で配置されています。変調方式はOffset QPSK(Offset Quadrature Phase Shift Keying:オフセット直交位相偏移変調)が採用されています。QPSKを応用したOffset QPSK(以下、O-QPSK)は、2.4Hz帯ZigBeeの特徴的な仕様です。

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