4個の60V MOSFETを1パッケージ化、ヒートシンクが不要に:フェアチャイルド FDMQ86530L 60V quad-MOSFET
フェアチャイルドが発表したFDMQ86530L 60V quad-MOSFETは、4個の60V MOSFETを1パッケージに搭載している。導通損失や許容損失、効率を改善していてヒートシンクが不要になるので、システム効率の改善、省スペースを実現するという。
フェアチャイルドセミコンダクタージャパンは2013年5月7日、アクティブブリッジでヒートシンクを不要にする「FDMQ86530L 60V quad-MOSFET」を発表した。耐圧60VのNチャネルMOSFETを4個、1パッケージに収めた製品である。フェアチャイルド独自のGreenBridgeテクノロジを採用することで、ダイオードブリッジを使う場合に比べて導通損失や効率を改善、許容損失に関しては約10倍の改良を実現したという。1000個購入時の参考単価は1.38米ドル。
高解像度ネットワークカメラなど、アクティブブリッジを利用したアプリケーションでは、発生する過大な熱を制御するためにヒートシンクを用いると設計が複雑になる。これに対し、FDMQ86530L 60V quad-MOSFETは、導通損失や許容損失を改善したことで、ヒートシンクを不要とした。
FDMQ86530L 60V quad-MOSFETは、外形寸法が4.5×5.0mmの12端子MLPパッケージで提供され、12Vおよび24V ACアプリケーションにおいて電力変換効率が向上するコンパクトな設計を可能にしている。オン抵抗は、ドレイン電流が8A、ゲート・ソース間電圧が10Vのときに17.5mΩ。同7A、6Vのときに23mΩ、同6.5A、4.5Vのときに25mΩ(いずれも最大値)である。
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