あの“マッチ棒無線モジュール”を進化させる“ライター”が登場:東京コスモス電機 TWE-Lite R
東京コスモス電機は、電子工作初心者でも利用できる無線モジュール「TWE-Lite DIP」(トワイライト・ディップ)の内蔵ソフトウェアを自由にカスタマイズできるUSBアダプター「TWE-Lite R」(トワイ・ライター)を発売した。
東京コスモス電機は2013年8月8日、無線の知識がない人でも簡単に無線機能を組み込める無線モジュール製品「TWE-Lite DIP」(トワイライト・ディップ)の内蔵ソフトウェアを自由にカスタマイズできるUSBアダプター「TWE-Lite R」(トワイ・ライター)を発売した。
電子工作初心者に火をつけた“マッチ棒”アンテナ無線モジュール
TWE-Lite DIPは、2.4GHz帯のIEEE 802.15.4準拠の超小型無線モジュール「TWE-Lite」(関連記事:1円玉より小さいZigBee対応無線モジュール、通信距離は1km)を、個人ユーザーでも使いやすくするため、その形状をDIP-IC型にした無線モジュール。最大の特徴は、あらかじめ標準アプリケーションソフトウェア「TWE-ZEROアプリケーションソフトウェア」がインストールされている点。ユーザーは、説明書通りに配線を行うだけで、無線システムを実現できる。ソフトウェアの知識が一切不要で、“モジュールをPCに接続して設定する”といったことさえせずに、無線が使用できる。
TWE-Lite DIPには、見通し距離で1kmという通信距離を実現する“マッチ棒”形状のアンテナが付属。電子工作初心者でも無線が組み込める手軽さとともに、そのユニークな“マッチ棒アンテナ”が話題を呼び、「2013年6月の発売以来、予想を上回る大きな反響を得ている」(同社)という(関連記事:電子工作好きに火をつける、“マッチ棒アンテナ”付き無線モジュール)。
“ライター”が電子工作上級者に火をつける!
多くの反響を得る中で「中級者、上級者から、“標準アプリケーションを少しチューニングしたい”、“自身で開発したアプリケーションソフトを搭載したい”という要望があった」とし、今回、TWE-Lite DIPのソフトウェア書き換える“ライター”として、TWE-Lite Rを発売した。
TWE-Lite Rは、TWE-Lite DIP実装用端子と、PC接続用のマイクロUSBインタフェースなどを備え、TWE-Lite Rを介してPCからTWE-Lite DIPのソフトウェアが書き換えられるようになる。書き込み用のPCソフトウェアは、同社webサイトから無償でダウンロードできる。「TWE-Liteの高性能な32ビットマイコンをフルに生かせる環境が、手軽に構築できる」(同社)とする。
なお、TWE-Lite Rの価格は、1800円程度。TWE-Lite DIPの価格も1個1500〜1800円程度であり、手ごろな費用でより本格的な無線通信を取り入れた電子工作が可能になる。
評価ソフトが用意され、多様な機能も簡単に実現可能
評価用ソフトウェアに書き換えたTWE-Lite DIPのデモ。上のTWE-Lite DIPのスイッチを押すことで、左下のTWE-Lite DIPに接続したスピーカーから音を出したり、右下のTWE-Lite DIPに接続した液晶画面に曲名を表示させたり、といった無線制御が可能。提供される評価ソフトを使えば、簡単な設定だけでこのようなシステムが実現できるという (クリックで拡大)
TWE-Lite Rを使用すれば、フルカスタムのアプリケーションソフトウェアを書き込むことができるだけでなく、随時改良を施している標準アプリソフトのバージョンアップや標準アプリのチューニング(周波数チャンネル/通信速度などの設定)などが行えるようになる。さらに同社では、さまざまな機能を実現する評価用ソフトも提供する。既に、TWE-Lite DIPで音をならす機能や液晶表示機能などのソフトを用意。「マイコン間通信、シリアル通信向けソフトも強化し、『Raspberry Pi』や『Arduino』といったマイコンボードとの連携性も高めていきたい」としている。
企業エンジニア向けの開発キットも発売
東京コスモス電機では、電子工作など個人用途だけでなく、企業向けにもTWE-Lite/TWE Lite DIPの開発環境の拡充を実施。128×64ドットのビットマップLCDや温湿度/照度センサーを搭載したボードなどで構成するTWE-Lite評価開発キット(SDK)を製品化。1年間のテクニカルサポート付きで価格8万9800円(税別)で販売を開始した。さらに、大量生産用途向けにTWE-Liteのリール販売(1リール=1000個)もスタートさせている。
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